「家族を日本へ呼び寄せたい。」

「留学中ですが、配偶者や子どもを日本へ呼ぶことはできますか。」

「家族滞在ビザではアルバイトができますか。」

このような疑問をお持ちではありませんか。

「家族滞在」は、日本で一定の在留資格により生活している外国人の配偶者や子が、日本で扶養を受けながら生活するための在留資格です。

一般的には「家族滞在ビザ」と呼ばれることが多いですが、法令上は在留資格「家族滞在」であり、査証(ビザ)とは異なる制度です。

家族滞在では、扶養関係があること、扶養者に安定した収入があること、婚姻や親子関係が真正であることなどが重要な審査項目となります。

また、資格外活動許可を受けた場合のアルバイトや、卒業後・就職時の在留資格変更などについても、正しい制度を理解しておくことが大切です。

このページでは、家族滞在の制度概要から取得要件、必要書類、申請手続、資格外活動、就労ビザへの変更、よくある不許可事例まで、2026年7月時点の制度・運用に基づき分かりやすく解説します。

このようなお悩みはありませんか?

次のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。

  • 家族を日本へ呼び寄せたい
  • 家族滞在の取得条件を知りたい
  • 配偶者だけでなく子どもも呼び寄せられるのか知りたい
  • 扶養者の収入はどのくらい必要なのか知りたい
  • 家族滞在でアルバイトができるのか知りたい
  • 家族滞在から就労ビザへ変更したい
  • 子どもを日本の学校へ通わせたい
  • 一度不許可になったが再申請できるのか知りたい

家族滞在とは

家族滞在とは、日本で一定の在留資格により在留している外国人の扶養を受ける配偶者又は子が、日本で日常生活を送るための在留資格です。

対象となる扶養者は、就労系在留資格や「留学」など、法令で定められた在留資格を有している外国人です。

一方、日本人や永住者の配偶者・子については、「家族滞在」ではなく、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」など別の在留資格が適用されます。

家族滞在の対象となる方

家族滞在の対象となるのは、扶養者から生活費などの支援を受ける次の方です。

  • 法律上の配偶者
  • 法律上の子

婚姻関係や親子関係については、公的な証明書類によって確認されます。

一般的には、

  • 結婚証明書
  • 戸籍謄本
  • 出生証明書

などの提出が求められます。

家族滞在の対象とならない主な例

次のような方は、通常の家族滞在の対象とはなりません。

  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • 婚約者
  • 内縁配偶者(法律上の婚姻関係がない場合)

また、特定技能1号で在留する外国人の家族は、原則として家族滞在の対象とはなりません。

実務上のポイント

「家族だから誰でも呼び寄せられる」と誤解されることがありますが、家族滞在の対象は法律上限定されています。

特に、

  • 内縁配偶者
  • 婚約者

については、「家族滞在」で呼び寄せることはできません。

これらの場合は、別の制度が利用できるか個別に検討する必要があります。

よくある誤解

「日本で生活する外国人であれば、誰でも家族を呼び寄せられる」というわけではありません。

例えば、

  • 技能実習
  • 特定技能1号
  • 短期滞在

などの在留資格では、原則として家族滞在による呼び寄せは認められていません。

家族滞在と「日本人の配偶者等」は何が違うのでしょうか?

「家族滞在」と「日本人の配偶者等」は、どちらも家族が日本で生活するための在留資格ですが、制度の目的や要件は大きく異なります。

項目家族滞在日本人の配偶者等
対象外国人の扶養を受ける配偶者・子日本人の配偶者・実子など
扶養必要原則不要
就労原則不可(資格外活動許可が必要)制限なし
在留資格活動資格身分に基づく在留資格

この違いを正しく理解することは、適切な在留資格を選択するうえで非常に重要です。

実務上のポイント

相談の中には、「配偶者だから家族滞在で申請すればよい」と考えている方も少なくありません。

しかし、配偶者が日本人なのか、外国人なのかによって適用される在留資格は大きく異なります。

申請前には、どの在留資格が適切か確認することが重要です。

家族滞在の取得要件

家族滞在の在留資格を取得するためには、単に家族であるというだけでは許可されません。

出入国在留管理庁では、次のような事項を総合的に審査します。

  • 扶養者が適法に日本に在留していること
  • 申請人が法律上の配偶者又は子であること
  • 日本で扶養を受けて生活すること
  • 扶養者に安定した生活基盤があること
  • 婚姻や親子関係が真正であること

これらを客観的な資料によって立証することが重要です。

扶養者となることができる方

扶養者となるのは、日本で一定の在留資格を有して適法に在留している外国人です。

代表例として、

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 経営・管理
  • 企業内転勤
  • 高度専門職
  • 留学

などがあります。

一方で、短期滞在など、家族滞在の対象とならない在留資格もありますので注意が必要です。

法律上の配偶者・子であること

家族滞在の対象となるのは、法律上の婚姻関係がある配偶者法律上の子です。

そのため、

  • 結婚証明書
  • 戸籍謄本
  • 出生証明書

などにより、婚姻関係や親子関係を証明する必要があります。

実務上のポイント

外国で発行された証明書については、日本語訳の添付が必要となる場合があります。

また、国によって証明書の名称や様式が異なるため、事前に必要書類を確認しておくことが重要です。

扶養能力とは

家族滞在では、扶養者が家族を日本で生活させることができるだけの経済的基盤を有していることが求められます。

ただし、法令上、「年収○○万円以上」といった一律の基準は公表されていません。

実際には、収入額だけではなく、家族構成や生活状況などを含めて総合的に判断されます。

審査で考慮される主な事項

扶養能力を判断する際には、例えば次のような事項が考慮されます。

  • 扶養者の収入
  • 雇用形態
  • 勤務先の安定性
  • 扶養する家族の人数
  • 世帯全体の生活状況
  • 預貯金などの資産状況(必要に応じて)

これらを総合的に見て、日本で安定した生活を送ることができるかどうかが判断されます。

夫婦共働きの場合

家族滞在は、「扶養を受けること」を前提とした在留資格です。

そのため、配偶者が日本でフルタイム勤務を予定している場合には、「家族滞在」ではなく、就労可能な在留資格への変更が必要となることがあります。

資格外活動許可を受けて一定時間のアルバイトを行うことは可能ですが、家計の主たる収入を得るような就労は、家族滞在の趣旨と合致しません。

よくある誤解

「夫婦とも働いているので、どちらが扶養者でも問題ない」というわけではありません。

家族滞在は、扶養を受けることを前提とする在留資格です。

配偶者が本格的に就労する場合には、在留資格変更を検討する必要があります。

審査で重視されるポイント

家族滞在の審査では、提出書類だけでなく、家族関係や扶養の実態についても確認されます。

1 婚姻・親子関係の真正性

形式的に婚姻届を提出しているだけではなく、実際に夫婦として生活していることが重要です。

審査では、

  • 婚姻期間
  • 同居状況
  • 家族写真
  • 送金状況
  • 連絡状況

などについて確認される場合があります。

2 扶養の実態

扶養者が実際に生活費を負担し、日本で家族を養う意思と能力があることが重要です。

必要に応じて、

  • 給与明細
  • 在職証明書
  • 預金残高証明書

などの提出を求められることがあります。

3 提出書類の整合性

申請書、住民票、婚姻証明書などの記載内容に相違があると、追加資料の提出を求められる場合があります。

特に、

  • 氏名の表記
  • 生年月日
  • 婚姻日
  • 住所

などは、提出前によく確認しましょう。

実務上のポイント

外国の公文書では、アルファベット表記や氏名の順序が日本の書類と異なることがあります。

同一人物であることが分かるよう、必要に応じて説明資料を添付すると、審査が円滑に進むことがあります。

家族滞在の在留期間

家族滞在の在留期間は、扶養者の在留期間や個別の事情を踏まえて決定されます。

一般的には、

  • 6か月
  • 1年
  • 3年
  • 5年

などの在留期間が許可されます。

ただし、実際の在留期間は一律ではなく、扶養者の在留資格や家族の状況などを総合的に考慮して決定されます。

よくある誤解

「扶養者が5年の在留期間だから、家族も必ず5年になる」というわけではありません。

在留期間は、個々の事情を踏まえて個別に決定されます。

家族滞在でアルバイトはできますか?

家族滞在の在留資格は、「扶養を受けながら日本で生活すること」を目的としています。

そのため、原則として就労することはできません。

ただし、資格外活動許可を受けることにより、一定の範囲でアルバイトを行うことができます。

資格外活動許可とは

資格外活動許可とは、現在の在留資格で認められている活動以外の活動について、出入国在留管理庁から許可を受ける制度です。

家族滞在の場合、この許可を受けることで、一定の範囲でアルバイトが可能となります。

週28時間以内のアルバイト

包括的な資格外活動許可を受けた場合、原則として週28時間以内のアルバイトが認められます。

長期休暇中などについては、法令に基づく特例が適用される場合があります。

実務上のポイント

アルバイト時間は複数の勤務先を合計した時間で計算されます。

例えば、

  • コンビニ 週15時間
  • 飲食店 週13時間

の場合でも、合計28時間となります。

勤務先ごとではありませんので注意しましょう。

資格外活動許可があってもできない仕事

資格外活動許可を受けていても、風俗営業等に関係する業務には従事できません。

例えば、

  • キャバクラ
  • ホストクラブ
  • パチンコ店の一部業務
  • 性風俗関連特殊営業

などは認められていません。

よくある誤解

「資格外活動許可があれば、どのような仕事でもできる」ということではありません。

業種や業務内容によっては、資格外活動許可があっても従事できないものがあります。

家族滞在から就労ビザへ変更できますか?

はい。

一定の要件を満たせば、家族滞在から就労可能な在留資格へ変更することができます。

代表的な例として、

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 高度専門職
  • 特定技能
  • 経営・管理

などがあります。

技術・人文知識・国際業務への変更

大学や専門学校を卒業し、日本企業へ就職する場合には、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を行うケースが多くあります。

審査では、

  • 学歴
  • 職務内容
  • 雇用契約
  • 給与
  • 会社の事業内容

などが確認されます。

実務上のポイント

大学や専門学校を卒業して就職する場合は、卒業見込みの段階で申請を予定すると、卒業証明書などの追加資料の提出を求められることがあります。

また、職務内容と専攻との関連性についても重要な審査ポイントとなります。

特定技能への変更

一定の技能試験や日本語試験などの要件を満たす場合には、「特定技能」への変更が可能となることがあります。

ただし、職種ごとに必要な試験や要件が異なるため、事前に確認が必要です。

高度専門職への変更

一定のポイント要件を満たす場合には、「高度専門職」への変更を申請できることがあります。

高度専門職には、在留期間や永住許可申請などに関する優遇措置があります。

よくある誤解

「大学を卒業すれば、自動的に就労ビザへ変更できる」というわけではありません。

卒業だけではなく、

  • 就職先の業務内容
  • 学歴との関連性
  • 雇用条件

などについても審査されます。

家族滞在の子どもは日本の学校へ通えますか?

はい。

家族滞在の子どもも、日本の学校へ通うことができます。

年齢や希望に応じて、

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 高等学校
  • 大学
  • 専門学校

などへ進学することが可能です。

義務教育

小学校・中学校については、市区町村の案内に従って公立学校へ入学することができます。

また、私立学校やインターナショナルスクールを選択することも可能です。

高校・大学への進学

高校や大学への進学についても、日本人と同様に受験することができます。

日本語能力や学校ごとの募集要件を満たすことが必要です。

卒業後に日本で就職する場合

大学や専門学校を卒業後、日本で就職する場合には、原則として「家族滞在」のまま就労することはできません。

就職先や職務内容に応じて、「技術・人文知識・国際業務」など適切な就労系在留資格への変更申請が必要となります。

実務上のポイント

卒業後の在留資格変更は、就職時期に合わせて準備を進めることが重要です。

特に、新卒採用では入社日までに在留資格変更許可を受ける必要があるため、採用内定後は早めに必要書類を準備しましょう。

よくある誤解

「家族滞在のまま正社員として働ける」ということはありません。

正社員として就職する場合には、業務内容に応じた就労可能な在留資格への変更が必要です。

よくある不許可事例

家族滞在は、「家族である」という事実だけで許可されるわけではありません。

出入国在留管理庁では、婚姻・親子関係の真正性、扶養能力、日本で生活する実態などを総合的に審査します。

ここでは、実際によく見られる不許可となる原因をご紹介します。

事例1 扶養能力が十分であると認められなかった

扶養者の収入が不安定であったり、扶養する家族が多いにもかかわらず十分な生活費を確保できることが説明できなかったため、不許可となった事例です。

改善のポイント

  • 在職証明書
  • 給与明細
  • 課税証明書
  • 預貯金残高証明書(必要に応じて)

などを提出し、日本で安定した生活を送ることができることを具体的に説明しましょう。

事例2 婚姻の実態に疑義が生じた

婚姻証明書は提出されていましたが、交際経緯や同居状況について十分な説明ができず、婚姻の真正性について慎重な審査が行われた事例です。

改善のポイント

必要に応じて、

  • 交際から結婚までの経緯
  • 一緒に撮影した写真
  • メッセージのやり取り
  • 送金記録

などを提出し、実体のある婚姻であることを説明します。

事例3 提出書類に矛盾があった

申請書、住民票、婚姻証明書などで住所や氏名、生年月日などの記載内容に相違があり、追加資料の提出を求められた事例です。

改善のポイント

提出前にすべての書類を確認し、

  • 氏名表記
  • 生年月日
  • 婚姻日
  • 現住所

などが一致していることを確認しましょう。

事例4 扶養を受ける実態が認められなかった

家族滞在でありながら、申請人が実質的に生活費の大半をアルバイト収入で賄っていたため、「扶養を受ける活動」と認められないと判断された事例です。

改善のポイント

家族滞在は扶養を受けることを前提とした在留資格です。

資格外活動による収入は補助的なものにとどめ、生活の中心は扶養者による扶養であることを説明することが重要です。

実務上のポイント

不許可となった場合でも、不許可理由を確認し、不足していた資料や説明を補ったうえで再申請することが可能です。

まずは不許可となった理由を正確に把握し、それに応じた対応を検討しましょう。

よくある誤解

「一度不許可になると、再申請はできない」ということではありません。

不許可理由を分析し、必要な資料や説明を追加することで、許可となるケースも少なくありません。

家族滞在申請で追加資料を求められやすいケース

家族滞在の申請では、提出書類だけでは事情を十分に確認できない場合、出入国在留管理庁から追加資料の提出を求められることがあります。

追加資料を求められること自体は珍しいことではなく、直ちに不許可を意味するものではありません。

追加資料を求められやすい例として、次のようなケースがあります。

  • 婚姻後間もなく申請する場合
  • 年齢差が大きい夫婦
  • 扶養者が転職したばかりの場合
  • 扶養者の収入が前年より大きく減少している場合
  • 海外で長期間別居していた場合
  • 申請書類の内容に確認が必要な事項がある場合
実務上のポイント

追加資料の提出期限は比較的短いことがあります。

提出依頼を受けた場合は、内容を十分確認し、期限内に提出することが重要です。

家族滞在申請の手続の流れ

家族滞在の申請は、海外から家族を呼び寄せる場合、日本国内で在留資格を変更する場合、在留期間を更新する場合で手続が異なります。

手続の流れ

手続内容
① 要件の確認扶養者・家族が要件を満たしているか確認します。
② 必要書類の収集婚姻証明書、出生証明書、収入関係資料などを準備します。
③ 申請書類の作成申請書、理由書(必要に応じて)などを作成します。
④ 地方出入国在留管理局へ申請在留資格認定証明書交付申請、変更申請又は更新申請を行います。
⑤ 審査必要に応じて追加資料の提出を求められることがあります。
⑥ 許可在留資格認定証明書又は新しい在留カードが交付されます。
実務上のポイント

海外から家族を呼び寄せる場合は、「在留資格認定証明書交付申請」を行い、交付された認定証明書を家族へ送付します。

家族はこれを利用して査証(ビザ)の申請を行い、日本へ入国します。

必要書類

提出書類は申請区分や個々の事情により異なります。

ここでは代表的な書類をご紹介します。

在留資格認定証明書交付申請

主な必要書類内容
在留資格認定証明書交付申請書所定様式
写真規格に適合したもの
質問書所定様式(必要な場合)
婚姻証明書・出生証明書配偶者・子との関係を証明
扶養者の在留カード写し
扶養者のパスポート写し
在職証明書勤務状況を確認
課税証明書・納税証明書収入・納税状況を確認
その他必要資料個別事情に応じて提出

在留資格変更許可申請

主な必要書類内容
在留資格変更許可申請書所定様式
写真規格に適合したもの
在留カード原本提示
パスポート原本提示
婚姻証明書等必要に応じて提出
収入関係資料必要に応じて提出

在留期間更新許可申請

主な必要書類内容
在留期間更新許可申請書所定様式
在留カード原本提示
パスポート原本提示
扶養継続を証明する資料必要に応じて提出
課税証明書等必要に応じて提出
実務上のポイント

申請人の国や家族構成、扶養者の在留資格などにより、追加書類の提出を求められる場合があります。

提出前に最新の必要書類を確認することが大切です。

標準処理期間

出入国在留管理庁では、標準処理期間の目安を公表しています。

申請区分標準処理期間(目安)
在留資格認定証明書交付申請約1か月~3か月
在留資格変更許可申請約2週間~1か月
在留期間更新許可申請約2週間~1か月
よくある誤解

「標準処理期間を過ぎたら不許可になる」ということではありません。

標準処理期間はあくまで目安であり、案件によってはこれより長く審査が行われる場合があります。

審査中に注意したいこと

申請後は、審査が終了するまで現在の状況に大きな変化があった場合には注意が必要です。

例えば、

  • 転職した場合
  • 住所が変わった場合
  • 扶養者が退職した場合
  • 婚姻状況が変わった場合

などは、内容によっては出入国在留管理庁への届出や追加資料の提出が必要となることがあります。

申請窓口

家族滞在に関する申請は、原則として住所地又は居住予定地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。

一定の要件を満たす場合には、出入国在留管理庁オンライン在留申請システムを利用したオンライン申請も可能です。

実務上のポイント

オンライン申請を利用する場合でも、追加資料の提出を求められることがあります。

提出期限を過ぎると審査に影響する可能性がありますので、入管からの通知は必ず確認しましょう。

理由書を提出した方がよいケース

家族滞在の申請では、すべての案件で理由書の提出が義務付けられているわけではありません。

しかし、申請人や扶養者の事情によっては、理由書を添付することで審査担当者に状況をより正確に理解してもらえる場合があります。

例えば、次のようなケースでは、理由書の提出を検討するとよいでしょう。

  • 婚姻から間もない場合
  • 国際結婚で交際経緯を説明する必要がある場合
  • 扶養者の転職直後である場合
  • 一時的に収入が減少した事情がある場合
  • 長期間別居していた事情がある場合
  • 家族が日本へ来るまでに特別な事情があった場合
実務上のポイント

理由書は、「感情を訴える文章」ではなく、事実を時系列で整理し、提出書類では伝わりにくい事情を補足するための資料です。

客観的な資料と整合性のある内容とすることで、審査担当者に状況を正確に理解してもらいやすくなります。

扶養者の状況が変わった場合の注意点

家族滞在は、扶養者の在留資格や扶養能力を前提として認められる在留資格です。

そのため、扶養者の状況に大きな変化があった場合には、家族滞在の更新にも影響することがあります。

扶養者が転職した場合

転職したことだけを理由に家族滞在が取り消されることはありません。

しかし、

  • 転職後の収入
  • 雇用形態
  • 勤務の安定性

などについて確認されることがあります。

扶養者が退職した場合

退職後、長期間収入がない状態が続くと、扶養能力について慎重に審査される可能性があります。

再就職の予定や預貯金など、生活を維持できる事情を説明できるよう準備しておくことが重要です。

扶養者が永住者になった場合

扶養者が永住許可を受けた場合でも、家族滞在の在留資格が直ちに変更されるわけではありません。

ただし、更新時には扶養者の在留資格の変更を踏まえて審査が行われます。

実務上のポイント

扶養者の勤務先や在留資格に変更があった場合には、更新申請の際に事情を説明できる資料を準備しておくと安心です。

オンライン申請を利用する場合の注意点

一定の要件を満たす場合には、家族滞在に関する一部の申請についてオンライン申請を利用することができます。

オンライン申請は便利な制度ですが、次のような点に注意が必要です。

  • 添付資料の漏れがないか確認すること
  • 入管からの通知メールを定期的に確認すること
  • 追加資料の提出期限を守ること
  • 登録したメールアドレスを変更した場合は適切に管理すること
実務上ポイント

オンライン申請では、提出した書類に不備があると追加資料の提出を求められることがあります。

提出前に必要書類を十分確認することで、審査を円滑に進めることにつながります。

2026年7月時点で特に注意したい制度・運用

家族滞在制度は基本的な枠組みに大きな変更はありませんが、近年はオンライン申請の利用拡大や在留カード制度の見直しなど、手続面での変更が行われています。

また、提出書類や審査運用は変更されることがありますので、申請前には最新の出入国在留管理庁の公表資料を確認することが重要です。

よくある誤解

「以前申請したときと同じ書類でよい」ということではありません。

必要書類や運用は見直されることがありますので、申請の都度、最新の情報に基づいて準備することをおすすめします。

外国人を雇用する企業担当者の皆様へ

家族滞在の在留資格を持つ方を採用する場合は、採用前に在留カード及び資格外活動許可の有無を確認することが重要です。

特に、アルバイトとして採用する場合には、資格外活動許可の範囲を超えて就労させると、本人だけでなく雇用する企業にも影響が及ぶ場合があります。

また、大学や専門学校を卒業して正社員として採用する場合には、「家族滞在」のまま勤務することはできません。

採用前に、業務内容に応じた就労可能な在留資格への変更が必要となります。

よくある誤解

「在留カードを持っている外国人であれば、そのまま正社員として採用できる」ということではありません。

採用前には、在留資格の種類や就労の可否を必ず確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1 家族滞在の申請はいつからできますか?

海外から家族を呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書交付申請を行います。日本国内で在留資格を変更する場合や在留期間を更新する場合は、それぞれ変更許可申請又は更新許可申請を行います。

Q2 扶養者の年収はいくらあれば家族滞在が許可されますか?

法令上、「年収〇〇万円以上」という一律の基準は公表されていません。

扶養者の収入、扶養人数、雇用の安定性、生活状況などを総合的に審査して判断されます。

Q3 家族滞在で働くことはできますか?

家族滞在では原則として就労できません。

ただし、資格外活動許可を受けた場合には、一定の範囲でアルバイトを行うことができます。

Q4 資格外活動許可があれば正社員として働けますか?

いいえ。

資格外活動許可は一定の範囲でのアルバイトを認める制度です。

正社員として働く場合には、「技術・人文知識・国際業務」など、就労可能な在留資格への変更が必要です。

Q5 子どもだけを日本へ呼び寄せることはできますか?

扶養者との親子関係などの要件を満たしていれば、子どものみについて家族滞在の申請を行うことができる場合があります。

個別の事情によって必要書類や審査内容が異なるため、事前に確認することをおすすめします。

Q6 一度不許可になった場合でも再申請できますか?

はい。

不許可理由を確認し、不足していた資料や説明を補ったうえで再申請することは可能です。

不許可となった理由に応じた対応が重要です。

Q7 家族滞在から就労ビザへ変更できますか?

大学や専門学校を卒業し、日本企業へ就職する場合など、一定の要件を満たせば「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格へ変更することができます。

Q8 申請は自分でもできますか?

ご本人で申請することも可能です。

しかし、提出書類の準備や理由書の作成、追加資料への対応などに不安がある場合には、行政書士へ相談することで円滑に手続を進められる場合があります。

当事務所のサポート

当事務所では、家族滞在に関するご相談から申請まで、一人ひとりの状況に応じたサポートを行っています。

例えば、次のようなご相談に対応しています。

  • 家族滞在の取得要件に該当するか確認したい
  • 海外にいる配偶者や子どもを日本へ呼び寄せたい
  • 扶養能力について相談したい
  • 家族滞在から「技術・人文知識・国際業務」などへの変更申請をしたい
  • 一度不許可になった案件について相談したい
  • 理由書や説明資料の作成を依頼したい
  • オンライン申請について相談したい

当事務所では、申請書類の作成だけでなく、事案に応じた必要書類の確認や理由書の作成、追加資料への対応まで丁寧にサポートいたします。

外国人ご本人からのご相談はもちろん、外国人を雇用する企業様からのご相談にも対応しております。

実務上のポイント

家族滞在の申請では、ご家族の状況や扶養者の在留資格、収入状況などによって必要書類や審査のポイントが異なります。

事前に十分な準備を行うことで、追加資料の提出や審査の長期化を防ぎ、円滑な手続につながることがあります。

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