入管庁の公表資料をもとに行政書士がわかりやすく解説

第1回

 はじめに

「技術・人文知識・国際業務(以下「技人国」といいます。)」は、日本企業で専門的・技術的な業務に従事する外国人にとって、広く利用されている在留資格の一つです。

当事務所には、外国人の方や外国人を採用する企業の皆様から、次のようなご相談をいただいています。

  • 「この仕事は技人国に該当しますか?」
  • 「転職しても現在の在留資格のままで働けますか?」
  • 「就労資格証明書は取得した方がよいですか?」
  • 「雇用契約書には何を記載すればよいですか?」
  • 「留学生を採用する場合の注意点を教えてください。」

これらの疑問について、出入国在留管理庁は「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」を公表し、企業や外国人本人から多く寄せられる質問に対する考え方を示しています。

また、「技術・人文知識・国際業務」の制度運用についても、審査の考え方や取扱いを分かりやすく整理した資料を公表しています。これらは、企業が外国人を適切に採用し、外国人本人が安心して働くための重要な指針となっています。

本ページでは、これらの公表資料を参考にしながら、行政書士としての実務経験も踏まえ、「技人国」に関する実務上のポイントを分かりやすく解説します。

ご注意

本ページは、出入国在留管理庁が公表している資料を参考に、一般的な制度や考え方を解説したものです。実際の審査では、申請人の経歴、業務内容、受入企業の状況、提出資料などを総合的に判断して許可・不許可が決定されます。

このページの目的とご利用方法

当ホームページには、「技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ|取得要件・必要書類・申請手続」という総合ガイドがあります。

総合ガイドでは、

  • 技人国とはどのような在留資格か
  • 取得要件
  • 必要書類
  • 申請手続
  • 報酬・料金

など、制度全体を解説しています。

一方、本ページでは、「実際の申請・転職・在留期間更新などで生じやすい疑問」に焦点を当てます。

例えば、

  • 技人国で働ける仕事とは?
  • 転職したら在留資格変更許可申請は必要?
  • 就労資格証明書とは?
  • 雇用契約書に必要な内容は?
  • 留学生を採用するときの注意点は?

など、実際に相談の多いテーマを中心に解説します。

制度の概要を知りたい方は総合ガイドを、本ページではより実務的な内容をご覧いただくことで、より深く制度をご理解いただけます。

入管庁がQ&Aを公表している背景

近年、日本では外国人材を採用する企業が増加し、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に関する相談も増えています。

その一方で、

  • 在留資格と仕事内容の関係が分かりにくい
  • 提出書類の準備方法が分からない
  • 転職時の手続が分からない
  • 更新時の注意点が分からない

など、企業や外国人本人から多くの問い合わせが寄せられるようになりました。

このため、出入国在留管理庁は、事業者から特に問い合わせの多い事項について、提出書類や疎明方法を中心にQ&Aとして整理・公表しています。

このQ&Aは、就労資格に関する制度運用や申請実務を理解するための参考資料として公表されています。実務上の判断や手続を理解するための重要な資料といえます。

行政書士が考える「技人国」申請において重要となるポイント

当事務所は、多くの相談を受ける中で、「技人国」の審査では仕事内容の説明が非常に重要であると考えています。

「大学を卒業しているから大丈夫」

「日本語能力試験N1を持っているから許可される」

というような単純なものではありません。

審査では、

  • 学歴や専攻
  • 実務経験
  • 職務内容
  • 雇用契約の内容
  • 報酬額
  • 受入企業の事業内容
  • 業務と専攻との関連性

など、これらの事項を含め、個々の申請内容に応じて総合的に判断されます。

そのため、申請書には「営業」「設計」などと簡単に書くだけではなく、

  • どのような専門知識を活用するのか
  • どのような役割を担うのか
  • なぜその外国人を採用する必要があるのか

を具体的に説明することが重要です。

これは、申請人にとっても企業にとっても、審査担当者に業務内容を正確に理解してもらうための重要なポイントです。

本ページの構成

本ページでは、実際の相談件数が多いテーマを中心に、次のような流れで解説します。

仕事内容に関するQ&A

・技人国で認められる仕事
・就労資格証明書
・転職時の手続

提出書類に関するQ&A

・雇用契約書
・労働条件通知書
・雇用理由書
・在職証明書

留学生採用に関するQ&A

・卒業見込みでの申請
・ 卒業証明書
・入社前研修
・特定活動

その他の実務Q&A

・日本語能力証明
・派遣社員
・ OJT
・在留期間更新

本ページの読み方

各テーマは、次の流れで解説します。

ポイント

最初に結論を簡潔にまとめます。

入管庁の考え方

公表資料に基づき、制度上の取扱いをご紹介します。

行政書士が解説

制度の背景や、実際の審査で問題となりやすい点を分かりやすく説明します。

実務でよくある相談

企業や外国人本人から実際によく受ける相談内容をご紹介します。

当事務所からのアドバイス

申請をスムーズに進めるための実務上のポイントをお伝えします。

次に実務Q&Aを詳しく解説します

次回は、企業や外国人本人から特に相談の多い次のテーマについて解説します。

  • Q1 どのような仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当するのか
  • Q2 就労資格証明書とはどのような制度か
  • Q3 転職した場合は在留資格変更許可申請が必要か

入管庁の公表資料に基づく制度の説明だけでなく、行政書士として実務上注意すべき点も併せてご紹介します。

Information

技術・人文知識・国際業務に関するご相談は、申請人の経歴や受入企業の事業内容、予定されている業務内容などによって判断が異なります。当事務所では、個別の事情を丁寧に確認したうえで、申請に向けたサポートを行っています。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

出典

  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年4月)
  • 出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」

第2回

Q1 どのような仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当しますか?

ポイント

在留資格との適合性は、会社名や業種だけで判断されるものではなく、外国人が実際に従事する業務内容を踏まえて個別に判断されます。

入管庁の考え方

就労資格を持つ外国人は、その在留資格に該当する職務内容であれば就労できます。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方は、その在留資格に該当する在留資格に該当する専門的・技術的な活動に従事することが前提となります。

行政書士が解説

企業の担当者から、「製造業なので技人国は取れませんか?」という質問を受けることがあります。

しかし、これは正しくありません。製造業であっても、例えば

  • CAD設計
  • 生産技術
  • 品質保証
  • 品質管理
  • 海外営業
  • 生産管理
  • 技術開発

などに従事するのであれば、「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性があります。一方、

  • ライン作業
  • 組立作業
  • 梱包
  • 荷役
  • 清掃

など、専門的知識を必要としない業務が中心となる場合は、この在留資格との適合性について慎重な検討が必要です。

実務でよくある相談

相談例①

「機械設計者として採用したが、繁忙期は毎日ライン作業をさせています。」

繁忙期の一時的な応援なのか、それともライン作業が主たる業務なのかで評価は異なります。

在留期間更新許可申請の際には、実際の業務内容について資料の提出や説明を求められる場合があります。


相談例②

ホテル勤務ですが、

  • 海外予約管理
  • 外国語対応
  • 通訳
  • インバウンド企画

などを担当しています。

このように専門性や語学力を活用する業務が中心であれば、「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所は申請書を作成するとき、

単に

・「営業」

・「設計」

とは記載しません。

例えば、

・海外顧客との英文契約書の作成・交渉

・CADソフトによる機械設計

・海外メーカーとの技術折衝

など、審査担当者が実際の仕事内容を具体的に理解できるよう工夫しています。

Q2 就労資格証明書とは|転職時に活用できる制度を解説

ポイント

転職先の仕事内容が現在の在留資格で認められるか心配な場合に利用できる制度です。

入管庁の考え方

外国人本人が地方出入国在留管理官署へ申請することにより、

採用後に従事する予定の業務が現在の在留資格で認められる活動かどうかを確認できます。

行政書士が解説

就労資格証明書は、簡単に言えば

「現在の在留資格でこの仕事をしてよいか」を入管に確認する制度

です。法律上、取得が義務付けられているものではありません。しかし、転職時に、現在の在留資格で予定している業務に従事できるか確認する方法の一つです。

このような場合におすすめ

  • 初めて外国人を採用する企業
  • 業務内容が少し変わる
  • 派遣会社へ転職する
  • 接客業務が増える
  • 技人国に該当するか判断に迷う

実務でよくある相談

「更新のときに仕事内容が違うと言われないでしょうか。」

このような不安がある場合は、事前に就労資格証明書を取得しておくことにより、転職後の在留資格に関する不安を軽減できる場合があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、仕事内容に変更があり、現在の在留資格との適合性について判断に迷う場合、就労資格証明書の取得を検討するようお勧めしています。

費用や時間はかかりますが、後から更新で問題になるリスクを減らすことができます。

Q3 転職した場合は在留資格変更許可申請が必要ですか?

ポイント

仕事内容が現在の在留資格に該当するのであれば、現在の在留資格に該当する活動を継続する場合は、原則として在留資格変更許可申請は不要です。

ただし、契約機関に関する届出など、外国人本人が行う必要のある手続があります。

入管庁の考え方

既に就労資格を持っている外国人が、採用後も同じ在留資格に該当する活動を続ける場合は、在留資格変更許可申請は不要です。

一方で、外国人本人による

  • 契約機関に関する届出

又は

  • 活動機関に関する届出

が必要になります。

行政書士が解説

ここは非常に誤解されやすいポイントです。

「会社が変わる」

ことと、

「在留資格が変わる」

ことは同じではありません。

例えば、

A社

CAD設計

B社

CAD設計

転職前後でいずれも「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動を行う場合は、原則として在留資格変更許可申請は不要です。

一方、

A社

海外営業

B社

ライン作業

となる場合は、

現在の在留資格で認められる活動かどうかを慎重に検討する必要があります。

実務でよくある相談

「営業として採用しましたが、実際は倉庫作業が中心です。」

「設計職として採用しましたが、ほとんど現場作業です。」

このようなケースでは、更新申請時や就労資格証明書の申請時に、実際の仕事内容について詳しい説明を求められることがあります。

当事務所からのアドバイス

転職の相談では、私は必ず「仕事内容がどう変わるか」を確認します。会社名や業種だけでは判断できません。

仕事内容が現在の在留資格に適合しているかを確認し、必要に応じて、就労資格証明書の取得や、業務内容を具体的に説明する資料の準備をご提案しています。

Information

なお、転職後の業務内容が現在の在留資格に該当するか判断に迷う場合や、必要な届出の要否について不明な点がある場合は、転職前に地方出入国在留管理局や行政書士へ相談することをお勧めします。

今回のまとめ

今回解説した内容で、特に重要なポイントは次の3点です。

✔ 技人国で特に重要なポイントは「会社名」ではなく「仕事内容」であること。

✔ 転職しても仕事内容が現在の在留資格に適合していれば、原則として在留資格変更許可申請は不要であること。

✔ 仕事内容の適合性に不安がある場合は、就労資格証明書の活用を検討するとよいこと。

第3回 Q4 雇用契約書がまだ完成していない場合でも申請できますか?

ポイント

雇用契約書が未締結でも申請できる場合があります。

ただし、仕事内容、報酬、雇用期間など、審査に必要な労働条件を確認できる資料の提出が必要です。

入管庁の考え方

入管庁では、雇用契約書そのものの提出が一律に必要とされているわけではありません。

重要なのは、

  • 従事する業務
  • 雇用期間
  • 報酬
  • 勤務条件

などが確認できることです。

行政書士が解説

企業によっては、

「まだ社内決裁が終わっていない。」

「契約書は入社日に締結する。」

というケースがあります。

その場合でも、

労働条件通知書

採用内定通知書

採用予定通知

などで、

必要事項が確認できれば申請可能な場合があります。

実務でよくある相談

「契約書がまだありません。」

この相談は非常に多いです。私はまず、提出できる資料を確認し、仕事内容と給与が確認できる資料を整理して申請するようにしています。

当事務所からのアドバイス

審査では、書類の名称よりも、業務内容や労働条件が適切に確認できることが重要です。仕事内容が曖昧な契約書より、具体的な業務内容を記載した資料の方が、審査では理解されやすくなります。

Q5 雇用理由書は必ず提出しなければなりませんか?

ポイント

雇用理由書は一律に提出が義務付けられている書類ではありません。

しかし、仕事内容や採用理由を補足する資料として提出することで、審査担当者の理解が深まる場合があります。

入管庁の考え方

仕事内容などが提出資料だけでは十分に把握できない場合、追加資料の提出を求められることがあります。

行政書士が解説

当事務所は、比較的複雑な案件では、できる限り雇用理由書を作成しています。

例えば、

  • なぜ外国人を採用するのか
  • なぜ日本人ではなくその外国人なのか
  • どのような専門知識を期待しているのか

などを書面で説明します。

実務でよくある相談

「提出しなくてもよいなら作らなくてもいいですか?」という質問があります。

確かに必須ではありません。しかし、当事務所は、提出した方が審査担当者の理解につながるケースは少なくないと考えています。

当事務所からのアドバイス

雇用理由書を作成する場合は、会社の事情だけではなく、外国人が担当する業務内容や採用理由を具体的に説明することが重要です。

外国人が担当する専門業務を説明する書類として考えると、非常に分かりやすくなります。

Q6 在職証明書には何を書けばよいですか?

ポイント

在職証明書は、現在の勤務状況を確認するための資料です。形式よりも、内容が重要になります。

行政書士が解説

一般的には、次の事項を記載します。

  • 氏名
  • 入社年月日
  • 所属部署
  • 現在の職務
  • 雇用形態
  • 会社名
  • 発行日
  • 代表者印

実務でよくある相談

在職証明書には、「営業」とだけ記載されている。これでは、どのような営業なのか、審査担当者には分かりません。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、可能であれば、営業内容まで具体的に記載することをお勧めしています。

例えば、「海外取引先との輸出入契約業務」と書くだけでも、専門性が伝わります。

Q7 「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」はなぜ必要ですか?

ポイント

この書類は、企業のカテゴリー区分を判断するための重要な資料です。

入管庁の考え方

所属機関のカテゴリー区分によっては、提出書類の一部を省略できる場合があります。

カテゴリー主な対象
1上場企業など
2一定規模以上の企業等
3一般企業
4新設会社など

行政書士が解説

カテゴリー区分は、会社の規模だけで決まるものではなく、提出書類の範囲にも関係する制度です。

しかし、一定規模以上の企業では、提出書類が簡素化されることがあります。

実務でよくある相談

「カテゴリー2です。」と言われても、担当者は意味が分からないことがあります。

カテゴリーは、優劣ではなく、提出資料の違いと考えると理解しやすくなります。

当事務所からのアドバイス

カテゴリーが変わると、必要書類も変わります。

私は申請前に、必ずカテゴリー確認から始めます。

Q8 提出書類で特に重要なポイントは何ですか?

ポイント

当事務所が最も重要だと考えるのは、仕事内容を説明する資料です。

行政書士が解説

学歴、職歴、会社概要、これらも重要ですが、最終的に審査担当者が判断するのは、実際に何をする仕事なのかです。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、仕事内容について、できる限り具体的に説明するようにしています。例えば、

  • 海外営業
  • 技術営業
  • CAD設計
  • 品質保証
  • 海外マーケティング

など、専門業務であることが伝わる資料を作成しています。

今回のまとめ

✔ 雇用契約書は形式よりも、仕事内容や労働条件が明確であることが重要です。

✔ 雇用理由書は必須書類ではありませんが、複雑な案件では審査担当者の理解を助ける有効な資料になります。

✔ カテゴリー区分によって必要書類が異なるため、申請前に企業のカテゴリーを確認することが大切です。

当事務所では、仕事内容を具体的に説明する資料が重要であると考えています。

第4回

Q9 留学生は卒業前に「技術・人文知識・国際業務」への変更申請ができますか?

ポイント

卒業見込みで申請できる場合がありますが、審査の段階で卒業証明書など、卒業したことを確認できる資料の提出が必要となる場合があります。

入管庁の考え方

留学生が「技術・人文知識・国際業務」への変更許可申請を行う場合、卒業見込みの段階で申請できることがあります。

ただし、最終的には卒業証明書など、卒業したことを確認できる資料の提出が必要です。

行政書士が解説

毎年3月頃になると、「4月入社なので早く申請したい。」という相談があります。

卒業見込みで申請できる場合がありますが、卒業できなかった場合は、申請の前提となる事情が変わることになります。

そのため、卒業証明書の提出時期について、会社・学校・行政書士で十分確認することが重要です。

実務でよくある相談

「卒業証書はまだ発行されていません。」

この場合、大学の発行スケジュールを確認し、必要書類を提出できるよう準備します。

当事務所からのアドバイス

卒業見込みの案件は、通常より提出資料の確認が重要になります。

学校からの証明書がいつ取得できるか、事前に確認しておきましょう。

Q10 日本語能力試験の合格証は必ず必要ですか?

ポイント

「技術・人文知識・国際業務」の申請において、日本語能力試験の合格証が一律に必要とされているわけではありません。

入管庁の考え方

業務内容によっては、日本語能力が必要であることを説明する資料や、日本語能力試験などの証明書の提出を求められる場合があります。

行政書士が解説

例えば、業務内容によっては、高度な日本語能力試験の合格証の提出が求められない場合があります。一方、

  • 通訳
  • 翻訳
  • ホテルフロント
  • 営業
  • 接客

などでは、日本語能力が業務遂行に不可欠です。

このような場合には、日本語能力を示す資料が重要になります。

実務でよくある相談

「N2がないと許可されませんか?」という質問があります。

実際には、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に一律の日本語能力要件はありません。

ただし、業務内容によっては、日本語能力を立証する資料が求められる場合があります。

当事務所からのアドバイス

日本語能力試験だけではありません。日本の大学卒業、日本語学校修了、業務経験なども、

説明資料として活用できる場合があります。

Q11 入社後にOJT(実務研修)を行っても問題ありませんか?

ポイント

OJT(実務研修)自体が直ちに認められないものではありません。

ただし、専門業務へ従事するための研修であることが重要です。

入管庁の考え方

専門業務に必要な知識や技能を習得するための研修として実施される場合がありますが、在留資格に該当しない活動が主たる内容となるような運用は、在留資格との適合性について慎重な検討が必要です。

行政書士が解説

例えば、設計者として採用した社員が、製品を理解するために工場研修を行うことがあります。

このような研修は、専門業務に必要な知識を習得するためであれば、通常問題ありません。

実務でよくある相談

「半年間は工場ラインだけです。」

このようなケースでは、研修なのか、実際の業務なのか、慎重な説明が必要になります。

当事務所からのアドバイス

研修期間、研修内容、研修終了後の配属予定などを説明できるよう準備しておくことをお勧めします。

Q12 派遣会社で働く場合も「技術・人文知識・国際業務」の対象になりますか?

ポイント

派遣会社が受入機関であることのみを理由として、「技術・人文知識・国際業務」の対象外となるものではありません。

重要なのは、派遣先で従事する仕事内容です。

実務でよくある相談

派遣先では設計、品質管理、通訳、海外営業を担当すると聞いていたが、実際にはライン作業だけだった。

このような場合は、更新時にも問題となる可能性があります。

当事務所からのアドバイス

派遣会社では、派遣契約書だけではなく、派遣先で担当する業務内容まで確認することが重要です。

Q13 専門業務と単純作業が混在している場合はどう考えますか?

ポイント

実際にどの業務が主たる活動となるのかが重要です。

行政書士が解説

専門業務に付随して、多少の単純作業を行うことはあります。

しかし、単純作業が中心となる場合は、「技術・人文知識・国際業務」との適合性について慎重な判断が必要になります。

実務でよくある相談

営業職ですが、毎日2時間程度は倉庫作業があります。

このような場合は、全体としてどの業務が主たる業務なのかを整理して説明する必要があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所では、必要に応じて職務内容説明書に業務の内容や割合(例:営業70%、通訳20%、倉庫整理10%)を記載し、主たる業務が専門的な活動であることを分かりやすく説明するよう努めています。

審査担当者にとって非常に分かりやすい資料になります。

今回のまとめ

✔ 卒業見込みで申請する場合は、卒業証明書の提出時期を事前に確認しましょう。

✔ 「技術・人文知識・国際業務」の申請では、日本語能力試験の合格証が一律の提出書類とされているわけではありませんが、業務内容によっては日本語能力を示す資料が求められることがあります。

✔ OJTは専門業務に必要な研修として行われることが重要であり、単純作業が中心にならないよう注意が必要です。

✔ 派遣会社で働く場合も、派遣先で担当する仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当するかが重要です。

✔ 専門業務と付随業務が混在する場合は、主たる業務が何かを具体的に説明できる資料を準備しましょう。

当ホームページには、「技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ|取得要件・必要書類・申請手続」という総合ガイドがあります。

総合ガイドでは、

  • 技人国とはどのような在留資格か
  • 取得要件
  • 必要書類
  • 申請手続
  • 報酬・料金

など、制度全体を解説しています。

一方、本ページでは、「実際の申請・転職・在留期間更新などで生じやすい疑問」に焦点を当てます。

例えば、

  • 技人国で働ける仕事とは?
  • 転職したら在留資格変更許可申請は必要?
  • 就労資格証明書とは?
  • 雇用契約書に必要な内容は?
  • 留学生を採用するときの注意点は?

など、実際に相談の多いテーマを中心に解説します。

制度の概要を知りたい方は総合ガイドを、本ページではより実務的な内容をご覧いただくことで、より深く制度をご理解いただけます。

入管庁がQ&Aを公表している背景

近年、日本では外国人材を採用する企業が増加し、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に関する相談も増えています。

その一方で、

  • 在留資格と仕事内容の関係が分かりにくい
  • 提出書類の準備方法が分からない
  • 転職時の手続が分からない
  • 更新時の注意点が分からない

など、企業や外国人本人から多くの問い合わせが寄せられるようになりました。

このため、出入国在留管理庁は、事業者から特に問い合わせの多い事項について、提出書類や疎明方法を中心にQ&Aとして整理・公表しています。

このQ&Aは、就労資格に関する制度運用や申請実務を理解するための参考資料として公表されています。実務上の判断や手続を理解するための重要な資料といえます。

行政書士が考える「技人国申請」で最も重要なこと

当事務所は、多くの相談を受ける中で、「技人国」の審査では仕事内容の説明が非常に重要であると考えています。

「大学を卒業しているから大丈夫」

「日本語能力試験N1を持っているから許可される」

というような単純なものではありません。

審査では、

  • 学歴や専攻
  • 実務経験
  • 職務内容
  • 雇用契約の内容
  • 報酬額
  • 受入企業の事業内容
  • 業務と専攻との関連性

など、これらの事項を含め、個々の申請内容に応じて総合的に判断されます。

そのため、申請書には「営業」「設計」などと簡単に書くだけではなく、

  • どのような専門知識を活用するのか
  • どのような役割を担うのか
  • なぜその外国人を採用する必要があるのか

を具体的に説明することが重要です。

これは、申請人にとっても企業にとっても、審査担当者に業務内容を正確に理解してもらうための重要なポイントです。

本ページの構成

本ページでは、実際の相談件数が多いテーマを中心に、次のような流れで解説します。

仕事内容に関するQ&A

・技人国で認められる仕事
・就労資格証明書
・転職時の手続

提出書類に関するQ&A

・雇用契約書
・労働条件通知書
・雇用理由書
・在職証明書

留学生採用に関するQ&A

・卒業見込みでの申請
・ 卒業証明書
・入社前研修
・特定活動

その他の実務Q&A

・日本語能力証明
・派遣社員
・ OJT
・在留期間更新

本ページの読み方

各テーマは、次の流れで解説します。

ポイント

最初に結論を簡潔にまとめます。

入管庁の考え方

公表資料に基づき、制度上の取扱いをご紹介します。

行政書士が解説

制度の背景や、実際の審査で問題となりやすい点を分かりやすく説明します。

実務でよくある相談

企業や外国人本人から実際によく受ける相談内容をご紹介します。

当事務所からのアドバイス

申請をスムーズに進めるための実務上のポイントをお伝えします。

次に実務Q&Aを詳しく解説します

次回は、企業や外国人本人から特に相談の多い次のテーマについて解説します。

  • Q1 どのような仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当するのか
  • Q2 就労資格証明書とはどのような制度か
  • Q3 転職した場合は在留資格変更許可申請が必要か

入管庁の公表資料に基づく制度の説明だけでなく、行政書士として実務上注意すべき点も併せてご紹介します。

出典

  • 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年4月)
  • 出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」

第2回

Q1 どのような仕事が「技術・人文知識・国際業務」に該当しますか?

ポイント

在留資格との適合性は、会社名や業種だけで判断されるものではなく、外国人が実際に従事する業務内容を踏まえて個別に判断されます。

入管庁の考え方

就労資格を持つ外国人は、その在留資格に該当する職務内容であれば就労できます。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方は、その在留資格に該当する在留資格に該当する専門的・技術的な活動に従事することが前提となります。

行政書士が解説

企業の担当者から、「製造業なので技人国は取れませんか?」という質問を受けることがあります。

しかし、これは正しくありません。製造業であっても、例えば

  • CAD設計
  • 生産技術
  • 品質保証
  • 品質管理
  • 海外営業
  • 生産管理
  • 技術開発

などに従事するのであれば、「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性があります。一方、

  • ライン作業
  • 組立作業
  • 梱包
  • 荷役
  • 清掃

など、専門的知識を必要としない業務が中心となる場合は、この在留資格との適合性について慎重な検討が必要です。

実務でよくある相談

相談例①

「機械設計者として採用したが、繁忙期は毎日ライン作業をさせています。」

繁忙期の一時的な応援なのか、それともライン作業が主たる業務なのかで評価は異なります。

在留期間更新許可申請の際には、実際の業務内容について資料の提出や説明を求められる場合があります。


相談例②

ホテル勤務ですが、

  • 海外予約管理
  • 外国語対応
  • 通訳
  • インバウンド企画

などを担当しています。

このように専門性や語学力を活用する業務が中心であれば、「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所は申請書を作成するとき、

単に

・「営業」

・「設計」

とは記載しません。

例えば、

・海外顧客との英文契約書の作成・交渉

・CADソフトによる機械設計

・海外メーカーとの技術折衝

など、審査担当者が実際の仕事内容を具体的に理解できるよう工夫しています。

Q2 就労資格証明書とは|転職時に活用できる制度を解説

ポイント

転職先の仕事内容が現在の在留資格で認められるか心配な場合に利用できる制度です。

入管庁の考え方

外国人本人が地方出入国在留管理官署へ申請することにより、

採用後に従事する予定の業務が現在の在留資格で認められる活動かどうかを確認できます。

行政書士が解説

就労資格証明書は、簡単に言えば

「現在の在留資格でこの仕事をしてよいか」を入管に確認する制度

です。法律上、取得が義務付けられているものではありません。しかし、転職時に、現在の在留資格で予定している業務に従事できるか確認する方法の一つです。

このような場合におすすめ

  • 初めて外国人を採用する企業
  • 業務内容が少し変わる
  • 派遣会社へ転職する
  • 接客業務が増える
  • 技人国に該当するか判断に迷う

実務でよくある相談

「更新のときに仕事内容が違うと言われないでしょうか。」

このような不安がある場合は、事前に就労資格証明書を取得しておくことにより、転職後の在留資格に関する不安を軽減できる場合があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、仕事内容に変更があり、現在の在留資格との適合性について判断に迷う場合、就労資格証明書の取得を検討するようお勧めしています。

費用や時間はかかりますが、後から更新で問題になるリスクを減らすことができます。

Q3 転職した場合は在留資格変更許可申請が必要ですか?

ポイント

仕事内容が現在の在留資格に該当するのであれば、現在の在留資格に該当する活動を継続する場合は、原則として在留資格変更許可申請は不要です。

ただし、契約機関に関する届出など、外国人本人が行う必要のある手続があります。

入管庁の考え方

既に就労資格を持っている外国人が、採用後も同じ在留資格に該当する活動を続ける場合は、在留資格変更許可申請は不要です。

一方で、外国人本人による

  • 契約機関に関する届出

又は

  • 活動機関に関する届出

が必要になります。

行政書士が解説

ここは非常に誤解されやすいポイントです。

「会社が変わる」

ことと、

「在留資格が変わる」

ことは同じではありません。

例えば、

A社

CAD設計

B社

CAD設計

転職前後でいずれも「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動を行う場合は、原則として在留資格変更許可申請は不要です。

一方、

A社

海外営業

B社

ライン作業

となる場合は、

現在の在留資格で認められる活動かどうかを慎重に検討する必要があります。

実務でよくある相談

「営業として採用しましたが、実際は倉庫作業が中心です。」

「設計職として採用しましたが、ほとんど現場作業です。」

このようなケースでは、

更新申請時や就労資格証明書の申請時に、

実際の仕事内容について詳しい説明を求められることがあります。

当事務所からのアドバイス

転職の相談では、私は必ず「仕事内容がどう変わるか」を確認します。会社名や業種だけでは判断できません。

仕事内容が現在の在留資格に適合しているかを確認し、必要に応じて、就労資格証明書の取得や、業務内容を具体的に説明する資料の準備をご提案しています。

今回のまとめ

今回解説した内容で、特に重要なポイントは次の3点です。

技人国で特に重要なポイントは「会社名」ではなく「仕事内容」であること。

転職しても仕事内容が現在の在留資格に適合していれば、原則として在留資格変更許可申請は不要であること。

仕事内容の適合性に不安がある場合は、就労資格証明書の活用を検討するとよいこと。

第3回 Q4 雇用契約書がまだ完成していない場合でも申請できますか?

ポイント

雇用契約書が未締結でも申請できる場合があります。

ただし、仕事内容、報酬、雇用期間など、審査に必要な労働条件を確認できる資料の提出が必要です。

入管庁の考え方

入管庁では、雇用契約書そのものの提出が一律に必要とされているわけではありません。

重要なのは、

  • 従事する業務
  • 雇用期間
  • 報酬
  • 勤務条件

などが確認できることです。

行政書士が解説

企業によっては、

「まだ社内決裁が終わっていない。」

「契約書は入社日に締結する。」

というケースがあります。

その場合でも、

労働条件通知書

採用内定通知書

採用予定通知

などで、

必要事項が確認できれば申請可能な場合があります。

実務でよくある相談

「契約書がまだありません。」

この相談は非常に多いです。当事務所はまず、提出できる資料を確認し、仕事内容と給与が確認できる資料を整理して申請するようにしています。

当事務所からのアドバイス

審査では、書類の名称よりも、業務内容や労働条件が適切に確認できることが重要です。仕事内容が曖昧な契約書より、具体的な業務内容を記載した資料の方が、審査では理解されやすくなります。

Q5 雇用理由書は必ず提出しなければなりませんか?

ポイント

雇用理由書は一律に提出が義務付けられている書類ではありません。

しかし、仕事内容や採用理由を補足する資料として提出することで、審査担当者の理解が深まる場合があります。

入管庁の考え方

仕事内容などが提出資料だけでは十分に把握できない場合、追加資料の提出を求められることがあります。

行政書士が解説

当事務所は、比較的複雑な案件では、できる限り雇用理由書を作成しています。

例えば、

  • なぜ外国人を採用するのか
  • なぜ日本人ではなくその外国人なのか
  • どのような専門知識を期待しているのか

などを書面で説明します。

実務でよくある相談

「提出しなくてもよいなら作らなくてもいいですか?」という質問があります。

確かに必須ではありません。しかし、当事務所は、提出した方が審査担当者の理解につながるケースは少なくないと考えています。

当事務所からのアドバイス

雇用理由書を作成する場合は、会社の事情だけではなく、外国人が担当する業務内容や採用理由を具体的に説明することが重要です。

外国人が担当する専門業務を説明する書類として考えると、非常に分かりやすくなります。

Q6 在職証明書には何を書けばよいですか?

ポイント

在職証明書は、現在の勤務状況を確認するための資料です。形式よりも、内容が重要になります。

行政書士が解説

一般的には、次の事項を記載します。

  • 氏名
  • 入社年月日
  • 所属部署
  • 現在の職務
  • 雇用形態
  • 会社名
  • 発行日
  • 代表者印

実務でよくある相談

在職証明書には、「営業」とだけ記載されている。これでは、どのような営業なのか、審査担当者には分かりません。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、可能であれば、営業内容まで具体的に記載することをお勧めしています。

例えば、「海外取引先との輸出入契約業務」と書くだけでも、専門性が伝わります。

Q7 「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」はなぜ必要ですか?

ポイント

この書類は、企業のカテゴリー区分を判断するための重要な資料です。

入管庁の考え方

所属機関のカテゴリー区分によっては、提出書類の一部を省略できる場合があります。

行政書士が解説

カテゴリー区分は、会社の規模だけで決まるものではなく、提出書類の範囲にも関係する制度です。

しかし、一定規模以上の企業では、提出書類が簡素化されることがあります。

実務でよくある相談

「カテゴリー2です。」と言われても、担当者は意味が分からないことがあります。

カテゴリーは、優劣ではなく、提出資料の違いと考えると理解しやすくなります。

当事務所からのアドバイス

カテゴリーが変わると、必要書類も変わります。

当事務所は申請前に、必ずカテゴリー確認から始めます。

Q8 提出書類で特に重要なポイントは何ですか?

ポイント

当事務所が最も重要だと考えるのは、仕事内容を説明する資料です。

行政書士が解説

学歴、職歴、会社概要、これらも重要ですが、最終的に審査担当者が判断するのは、実際に何をする仕事なのかです。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、仕事内容について、できる限り具体的に説明するようにしています。例えば、

  • 海外営業
  • 技術営業
  • CAD設計
  • 品質保証
  • 海外マーケティング

など、専門業務であることが伝わる資料を作成しています。

今回のまとめ

雇用契約書は形式よりも、仕事内容や労働条件が明確であることが重要です。

雇用理由書は必須書類ではありませんが、複雑な案件では審査担当者の理解を助ける有効な資料になります。

カテゴリー区分によって必要書類が異なるため、申請前に企業のカテゴリーを確認することが大切です。

✔当事務所では、仕事内容を具体的に説明する資料が重要であると考えています。

第4回

Q9 留学生は卒業前に「技術・人文知識・国際業務」への変更申請ができますか?

ポイント

卒業見込みで申請できる場合がありますが、審査の段階で卒業証明書など、卒業したことを確認できる資料の提出が必要となる場合があります。

入管庁の考え方

留学生が「技術・人文知識・国際業務」への変更許可申請を行う場合、卒業見込みの段階で申請できることがあります。

ただし、最終的には卒業証明書など、卒業したことを確認できる資料の提出が必要です。

行政書士が解説

毎年3月頃になると、「4月入社なので早く申請したい。」という相談があります。

卒業見込みで申請できる場合がありますが、卒業できなかった場合は、申請の前提となる事情が変わることになります。

そのため、卒業証明書の提出時期について、会社・学校・行政書士で十分確認することが重要です。

実務でよくある相談

「卒業証書はまだ発行されていません。」

この場合、大学の発行スケジュールを確認し、必要書類を提出できるよう準備します。

当事務所からのアドバイス

卒業見込みの案件は、通常より提出資料の確認が重要になります。

学校からの証明書がいつ取得できるか、事前に確認しておきましょう。

Q10 日本語能力試験の合格証は必ず必要ですか?

ポイント

「技術・人文知識・国際業務」の申請において、日本語能力試験の合格証が一律に必要とされているわけではありません。

入管庁の考え方

業務内容によっては、日本語能力が必要であることを説明する資料や、日本語能力試験などの証明書の提出を求められる場合があります。

行政書士が解説

例えば、業務内容によっては、高度な日本語能力試験の合格証の提出が求められない場合があります。一方、

  • 通訳
  • 翻訳
  • ホテルフロント
  • 営業
  • 接客

などでは、日本語能力が業務遂行に不可欠です。

このような場合には、日本語能力を示す資料が重要になります。

実務でよくある相談

「N2がないと許可されませんか?」という質問があります。

実際には、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に一律の日本語能力要件はありません。

ただし、業務内容によっては、日本語能力を立証する資料が求められる場合があります。

当事務所からのアドバイス

日本語能力試験だけではありません。日本の大学卒業、日本語学校修了、業務経験なども、

説明資料として活用できる場合があります。

Q11 入社後にOJT(実務研修)を行っても問題ありませんか?

ポイント

OJT(実務研修)自体が直ちに認められないものではありません。

ただし、専門業務へ従事するための研修であることが重要です。

入管庁の考え方

専門業務に必要な知識や技能を習得するための研修として実施される場合がありますが、在留資格に該当しない活動が主たる内容となるような運用は、在留資格との適合性について慎重な検討が必要です。

行政書士が解説

例えば、設計者として採用した社員が、製品を理解するために工場研修を行うことがあります。

このような研修は、専門業務に必要な知識を習得するためであれば、通常問題ありません。

実務でよくある相談

「半年間は工場ラインだけです。」

このようなケースでは、研修なのか、実際の業務なのか、慎重な説明が必要になります。

当事務所からのアドバイス

研修期間、研修内容、研修終了後の配属予定などを説明できるよう準備しておくことをお勧めします。

Q12 派遣会社で働く場合も「技術・人文知識・国際業務」の対象になりますか?

ポイント

派遣会社が受入機関であることのみを理由として、「技術・人文知識・国際業務」の対象外となるものではありません。

重要なのは、派遣先で従事する仕事内容です。

実務でよくある相談

派遣先では設計、品質管理、通訳、海外営業を担当すると聞いていたが、実際にはライン作業だけだった。

このような場合は、更新時にも問題となる可能性があります。

当事務所からのアドバイス

派遣会社では、派遣契約書だけではなく、派遣先で担当する業務内容まで確認することが重要です。

Q13 専門業務と単純作業が混在している場合はどう考えますか?

ポイント

実際にどの業務が主たる活動となるのかが重要です。

行政書士が解説

専門業務に付随して、多少の単純作業を行うことはあります。

しかし、単純作業が中心となる場合は、「技術・人文知識・国際業務」との適合性について慎重な判断が必要になります。

実務でよくある相談

営業職ですが、毎日2時間程度は倉庫作業があります。

このような場合は、全体としてどの業務が主たる業務なのかを整理して説明する必要があります。

当事務所からのアドバイス

当事務所は、職務内容説明書に業務割合(例)営業70%、通訳20%、倉庫整理10%などを記載することもあります。

審査担当者にとって非常に分かりやすい資料になります。

今回のまとめ

✔ 卒業見込みで申請する場合は、卒業証明書の提出時期を事前に確認しましょう。

✔「技術・人文知識・国際業務」の申請では、日本語能力試験の合格証が一律の提出書類とされているわけではありませんが、業務内容によっては日本語能力を示す資料が求められることがあります。

✔ OJTは専門業務に必要な研修として行われることが重要であり、単純作業が中心にならないよう注意が必要です。

✔ 派遣会社で働く場合も、派遣先で担当する仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当するかが重要です。

✔ 専門業務と付随業務が混在する場合は、主たる業務が何かを具体的に説明できる資料を準備しましょう。