相続は、ご家族が亡くなられた後に行う大切な手続です。しかし、多くの方にとって相続を経験する機会はそれほど多くなく、「何から始めればよいのか分からない」「戸籍はどこまで集めればよいのか」「遺産分割協議書は必要なのか」など、さまざまな不安や疑問を抱えながら手続を進められるケースが少なくありません。
相続手続では、相続人の確定、戸籍の収集、財産調査、遺産分割協議、各種名義変更など、多くの手続を適切な順序で進めることが重要です。さらに、不動産を相続する場合には相続登記、相続財産が一定額を超える場合には相続税申告など、他の専門家との連携が必要となることもあります。
行政書士芝隆夫事務所では、戸籍収集や相続人調査、遺産分割協議書の作成など、相続に関する書類作成と手続を中心に、お客様が安心して相続手続を進められるよう丁寧にサポートいたします。相続についてお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。相続手続では、戸籍収集・相続人調査・財産調査・遺産分割などを順序よく進めることが重要であり、近年は相続登記義務化など制度改正も実務に大きく影響しています。
📖 この記事でわかること
相続とは
相続とは、亡くなられた方(被相続人)の財産や権利・義務を、法律で定められた相続人や遺言によって指定された方が引き継ぐ制度です。相続は被相続人が亡くなられた時点で開始し、不動産や預貯金などの財産だけでなく、借入金などの債務も承継の対象となることがあります。そのため、相続手続では「誰が相続人になるのか」「どのような財産があるのか」を正確に把握したうえで手続を進めることが大切です。
まずは全体の流れをご覧ください
相続手続は複数の手続が順番に進みます。
最初に全体像を把握すると、その後の各項目が理解しやすくなります

図S-001 相続手続全体の流れ
※一般的な手続の流れを示したものです。
事案によって必要となる手続や順序が異なる場合があります。
相続手続は早めの準備が大切です
相続手続には、戸籍の収集、相続人の確定、財産調査、遺産分割協議、名義変更など、多くの手続があります。それぞれに必要書類や進め方が異なり、期限が定められている手続もあるため、全体の流れを把握しながら計画的に進めることが重要です。
相続は財産だけでなく債務も引き継ぐことがあります
相続の対象となるのは、不動産や預貯金だけではありません。株式、投資信託、自動車、貸付金などのほか、借入金などの債務も相続の対象となることがあります。そのため、相続財産を調査する際には、プラスの財産だけでなくマイナスの財産についても確認することが大切です。
相続手続の流れ
相続手続は、一つの手続だけを行えば完了するものではありません。相続人の確定、相続財産の調査、遺言書の有無の確認、遺産分割協議、各種名義変更など、複数の手続を適切な順序で進める必要があります。また、相続放棄や相続税の申告などには法律で定められた期限があるため、相続開始後はできるだけ早い段階で全体の流れを把握することが重要です。相続手続の基本的な流れは、公的資料でも「戸籍収集・相続人調査→財産調査→遺言確認→遺産分割→各種名義変更」という順序で整理されています。
相続手続の全体の流れ
🔵 ① ご逝去・死亡届の提出
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🔵 ② 相続人を確定する
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🔵 ③ 相続財産を調査する
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🔵 ④ 遺言書の有無を確認する
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🔵 ⑤ 遺産分割協議を行う
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🔵 ⑥ 各種名義変更を行う
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🔵 ⑦ 相続登記・相続税を確認する
STEP1 ご逝去・死亡届の提出
相続は、被相続人がお亡くなりになった時点で開始します。死亡後は市区町村へ死亡届を提出するとともに、葬儀や火葬、年金、健康保険などの各種手続を進めることになります。この時期は慌ただしくなりますが、その後の相続手続で必要となる死亡診断書や戸籍関係書類などは、大切に保管しておくことが重要です。
STEP2 相続人を確定する
相続手続では、最初に法律上の相続人を正確に確認する必要があります。通常は、被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍を収集し、相続人を漏れなく調査します。前婚のお子様や養子がいる場合には相続人の範囲が変わることもあるため、現在の戸籍だけではなく、出生時までさかのぼって戸籍を確認することが重要です。
STEP3 相続財産を調査する
相続財産には、土地・建物、預貯金、株式、投資信託、自動車などの資産だけでなく、借入金などの債務も含まれます。近年ではネット銀行やネット証券、暗号資産なども相続財産となるケースがあり、財産全体を漏れなく把握することが大切です。相続放棄や限定承認を検討する場合にも、正確な財産調査が前提となります。
STEP4 遺言書の有無を確認する
遺言書がある場合には、原則として遺言書の内容に従って相続手続を進めます。公正証書遺言、自筆証書遺言、自筆証書遺言書保管制度など、それぞれ取扱いが異なります。自宅で保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所で検認を受ける必要がありますが、法務局保管制度を利用した遺言書や公正証書遺言については検認は不要です。
STEP5 遺産分割協議を行う
相続人が複数いる場合には、誰がどの財産を取得するかについて相続人全員で話し合いを行います。これを遺産分割協議といいます。協議が成立した後は、内容を遺産分割協議書として作成し、不動産や預貯金などの名義変更手続に使用します。相続人が一人でも欠けている場合は、原則として有効な遺産分割協議とは認められません。
STEP6 各種名義変更を行う
遺産分割協議が終了した後は、預貯金、不動産、自動車、株式など、それぞれの財産について名義変更を行います。提出先によって必要書類が異なるため、事前に確認しながら進めることが重要です。不動産については司法書士、株式については証券会社など、それぞれ手続先が異なります。
STEP7 相続登記・相続税を確認する
不動産を相続した場合には、相続登記が必要になります。令和6年(2024年)4月1日から相続登記が義務化されており、一定の場合には取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。また、相続財産が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告・納付が必要となります。相続登記や相続税申告は専門性が高いため、必要に応じて司法書士や税理士と連携しながら進めることが重要です。
当事務所のサポート
相続手続は、ご家庭の状況や相続財産の内容によって必要となる手続が異なります。当事務所では、戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成など、行政書士が対応できる書類作成と手続支援を丁寧に行っております。必要に応じて司法書士・税理士・弁護士とも連携し、お客様が安心して相続手続を進められるようサポートいたします。
相続人とは
相続手続を進めるうえで、最初に確認しなければならないのが「誰が相続人になるのか」という点です。相続人は話し合いで自由に決められるものではなく、民法によって定められています。そのため、遺産分割協議や各種名義変更を行う前に、法律上の相続人を正確に確定することが重要です。相続人の範囲を誤ってしまうと、遺産分割協議そのものが無効となる場合もあるため、戸籍を収集して慎重に確認する必要があります。
🟦 まずは法定相続人の範囲をご覧ください
法定相続人の範囲や順位は、相続手続を進めるうえで最も重要なポイントの一つです。
まずは下の図で全体像をご確認ください。

※一般的な法定相続人の範囲を示したものです。
※実際の相続では、代襲相続や養子縁組などにより異なる場合があります。
配偶者は常に相続人になります
被相続人に配偶者がいる場合には、配偶者は常に相続人となります。ただし、配偶者だけで相続するとは限らず、お子様や父母、兄弟姉妹などがいる場合には、それぞれ法律で定められた順位に従って共同で相続することになります。
婚姻届を提出している法律上の配偶者は相続人となりますが、内縁関係の方は、原則として法定相続人にはなりません。内縁の配偶者へ財産を残したい場合には、生前に遺言書を作成しておくことが重要です。
第1順位 子(直系卑属)
第1順位の相続人は子です。実子だけでなく、養子も法律上の子として相続人になります。また、認知された子についても、法律上の要件を満たしていれば相続人となります。
子が複数いる場合には、原則として均等に相続します。
第2順位 父母・祖父母(直系尊属)
子や孫など第1順位の相続人がいない場合には、父母や祖父母などの直系尊属が相続人となります。父母が健在であれば父母が優先され、父母が既に亡くなっている場合には祖父母へと順位が移ります。
第3順位 兄弟姉妹
子も父母もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、その子である甥・姪が代襲相続人となります。ただし、甥・姪の子へ再代襲されることはありません。
法定相続分とは
法定相続分とは、民法で定められた相続割合のことです。遺言がない場合や、相続人全員で遺産分割協議を行う際の基準となります。ただし、法定相続分はあくまでも目安であり、相続人全員の合意があれば、法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることも可能です。
🟦 まずは法定相続分をご覧ください
法定相続分は、相続人の組み合わせによって異なります。
まずは下の図で代表的なケースをご確認ください。

※代表的な法定相続分を示したものです。
※遺言書がある場合や、相続人全員で遺産分割協議が成立した場合は、この割合と異なることがあります。
| 相続人 | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者+子 | 配偶者1/2・子1/2 |
| 配偶者+父母 | 配偶者2/3・父母1/3 |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 配偶者3/4・兄弟姉妹1/4 |
法定相続分と遺産分割協議の違い
法定相続分は法律上の基準ですが、実際の相続では、相続人全員が合意すれば異なる割合で財産を分けることができます。例えば、「自宅は配偶者が取得し、預貯金は子が取得する」といった分け方も可能です。
当事務所のサポート
相続人の確定は、相続手続の出発点となる重要な手続です。当事務所では、出生から死亡までの戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポートを行い、法律上の相続人を正確に確認したうえで、その後の相続手続を円滑に進められるよう支援しております。
H2 相続人調査(戸籍収集)
相続手続では、誰が法律上の相続人となるのかを正確に確定することが重要です。
相続人を誤って判断したまま遺産分割協議を行うと、その協議が無効となる可能性があります。そのため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を漏れなく確認する必要があります。
現在の戸籍だけでは、前婚のお子様、養子縁組、認知されたお子様などが確認できない場合があります。実務では、除籍謄本や改製原戸籍を含めて出生までさかのぼって調査を行います。
🟦 まずは戸籍収集の流れをご覧ください
相続人を正確に確定するためには、戸籍を漏れなく収集することが重要です。
まずは下の図で、一般的な戸籍収集の流れをご確認ください。

※一般的な戸籍収集の流れを示したものです。
※本籍地の異動や戸籍の改製状況によって、取得する戸籍の通数は異なります。
H3 なぜ出生までさかのぼって収集するのですか?
現在の戸籍だけでは、法定相続人を正確に確認できない場合があります。
そのため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を連続して収集し、婚姻・離婚・養子縁組・認知などの履歴を確認することで、相続人の漏れがないかを調査します
H3 戸籍収集でよくある注意点
- 本籍地を変更している場合は、複数の市区町村へ請求が必要になることがあります。
- 古い戸籍は「除籍謄本」や「改製原戸籍」として保存されています。
- 兄弟姉妹が相続人となる場合は、被相続人だけでなく父母の戸籍まで調査が必要になることがあります。
遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を取得するのかを決定した内容を書面にまとめたものです。相続人が複数いる場合には、この書面が不動産の相続登記、金融機関での預貯金の払戻しや名義変更、自動車の名義変更など、多くの手続で必要となります。法律上、必ず作成しなければならないものではありませんが、実務では非常に重要な書類であり、後日の紛争を防ぐためにも適切に作成することが大切です。
🟦 まずは遺産分割協議書の基本構成をご覧ください
遺産分割協議書には、記載すべき事項や注意点があります。
まずは下の図で、基本的な構成とポイントをご確認ください。

※一般的な構成例を示したものです。
※実際の記載内容は、相続財産や相続人の状況に応じて異なります。
遺産分割協議書が必要となる主なケース
遺産分割協議書は、相続人が複数いる場合に、相続財産の取得者を明確にするために作成します。特に、不動産の相続登記、金融機関での預貯金の解約や払戻し、株式の名義変更などでは、提出を求められることが多くあります。
一方で、相続人が一人しかいない場合や、有効な遺言書により取得者が明確に指定されている場合には、遺産分割協議書が不要となることもあります。ただし、個別の手続では別途書類を求められる場合がありますので、事前に確認することが重要です。
遺産分割協議書に記載する内容
遺産分割協議書には、被相続人の氏名や死亡日、相続人全員の氏名・住所、取得する財産の内容などを正確に記載します。不動産については登記事項証明書の表示どおりに、預貯金については金融機関名、支店名、口座番号などを正確に記載することが重要です。
また、相続人全員が協議内容に合意したことを示すため、実印で押印し、印鑑証明書を添付することが一般的です。
【図③ 遺産分割協議書の記載イメージ】
(タイトル → 被相続人 → 相続人 → 財産一覧 → 取得者 → 実印・印鑑証明書)
遺産分割協議書を作成する際の注意点
遺産分割協議書は、一度作成すると簡単に修正できるものではありません。そのため、相続人が漏れていないか、財産の表示に誤りがないか、取得者が明確になっているかを十分に確認したうえで作成する必要があります。
また、将来新たな財産が見つかった場合に備え、その取扱いについてあらかじめ協議書へ記載しておくことも有効です。内容が曖昧であると、後日改めて相続人全員で協議を行わなければならないことがあります。
行政書士へ依頼するメリット
遺産分割協議書は、相続手続全体の中でも特に重要な書類の一つです。内容に不備があると、金融機関や法務局で手続が進まないだけでなく、相続人間のトラブルにつながる可能性もあります。
行政書士へご依頼いただくことで、戸籍収集や相続人調査を踏まえたうえで、相続財産の内容に応じた遺産分割協議書を作成することができます。また、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成支援なども併せて行うことで、その後の名義変更手続を円滑に進めることができます。
当事務所のサポート
相続人や相続財産の内容は、ご家庭ごとに異なります。当事務所では、お客様から丁寧にお話をお伺いし、戸籍収集から相続人調査、遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図作成のサポートまで、一つひとつの手続を分かりやすくご案内いたします。「どのような内容で協議書を作成すればよいか分からない」「この書き方で問題ないか確認してほしい」といった場合も、お気軽にご相談ください。
相続放棄とは
相続では、不動産や預貯金などの財産だけでなく、借入金や保証債務などの債務も引き継ぐことがあります。そのため、相続財産よりも負債が多い場合や、被相続人の財産状況が不明な場合には、「相続放棄」を検討することがあります。
相続放棄とは、相続人が相続による権利や義務を一切引き継がないようにするための家庭裁判所での手続です。相続放棄をすると、その方は最初から相続人ではなかったものとして扱われます。相続放棄は民法に基づく制度であり、家庭裁判所への申述が必要です。
🟦 まずは相続放棄の流れをご覧ください
相続放棄は家庭裁判所で行う手続であり、申述には期限があります。
まずは下の図で全体の流れをご確認ください。

※一般的な相続放棄の流れを示したものです。
※具体的な必要書類や手続は、事案や家庭裁判所によって異なる場合があります。
相続放棄が検討される主なケース
相続放棄は、借入金やローンなどの負債が多い場合だけでなく、被相続人の財産状況が十分に分からない場合にも検討されることがあります。また、事業を営んでいた方や連帯保証人となっていた方が亡くなられた場合には、思わぬ債務が判明する可能性もあります。
一方、「相続手続に関わりたくない」「兄弟姉妹へ財産を譲りたい」といった理由だけで相続放棄を選択すると、期待した結果にならないこともあります。制度の内容を十分に理解したうえで判断することが大切です。
相続放棄の期限
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った日から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、相続財産や債務の内容を確認し、相続するか放棄するかを判断するための期間です。
期限を過ぎると、原則として相続を承認したものとみなされる可能性がありますので、負債の存在が疑われる場合には早めに財産調査を行うことが重要です。
相続放棄をする場合の注意点
相続放棄を検討している場合には、相続財産を処分したり、自分のものとして使用したりすると、単純承認と判断される可能性があります。そのため、財産の取扱いには十分注意が必要です。
また、相続放棄をすると次順位の相続人へ相続権が移る場合があります。例えば、子が全員相続放棄をした場合には、父母や祖父母などの直系尊属が相続人となり、さらに直系尊属も相続放棄をした場合には兄弟姉妹へ相続権が移ることがあります。こうした影響も考慮したうえで判断することが重要です。
行政書士がお手伝いできること
相続手続は、ご家族の状況や相続財産の内容によって必要な手続が異なります。当事務所では、お客様のお話を丁寧にお伺いしたうえで、相続人調査から戸籍収集、遺産分割協議書の作成まで、一つひとつの手続について分かりやすくご説明いたします。
また、お客様にとって分かりやすく、安心してご相談いただける対応を心掛けています。
相続登記が必要な場合は司法書士、相続税申告が必要な場合は税理士、相続人間に争いがある場合は弁護士と連携し、必要な専門家をご紹介いたします。
このような場合はご相談ください
被相続人に借入金があると聞いているが、正確な状況が分からない 相続放棄をした方がよいのか判断できない 相続放棄の期限が迫っており、何から始めればよいか分からない 相続人が複数おり、誰が相続放棄をするのか整理したい 相続財産の内容を確認してから今後の方針を決めたい
遺言書とは
遺言書とは、ご自身の財産を誰にどのように引き継いでもらいたいかという意思を、法律に従って書面に残すものです。遺言書を作成しておくことで、ご家族の負担を軽減できるだけでなく、相続人間の誤解やトラブルの防止にもつながります。
一方で、法律上の方式を満たしていない遺言書は無効となることがあります。また、内容によっては希望どおりに相続手続が進められない場合もあるため、制度を正しく理解したうえで作成することが大切です。遺言書には主に自筆証書遺言と公正証書遺言があり、それぞれ方式や保管方法が異なります。
🟦 まずは遺言書の種類をご覧ください
遺言書には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれ作成方法や保管方法、家庭裁判所での検認の要否などが異なります。
まずは下の図で、それぞれの特徴をご確認ください。

※一般的な遺言書の種類を示したものです。
※遺言書の内容や作成方法については、個々の事情に応じた検討が必要です。
遺言書を作成するメリット
遺言書を作成しておくことで、財産を取得する方を明確にできるため、相続人間の話し合いが円滑に進みやすくなります。また、相続人以外の方へ財産を遺したい場合や、事業用財産や自宅を特定の相続人へ承継させたい場合にも有効です。
特に、お子様がいらっしゃらないご夫婦、再婚家庭、お子様同士で取得割合に差を設けたい場合などでは、遺言書を作成しておくことで、ご自身の意思を反映しやすくなります。
H3 自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者本人が法律で定められた方式に従って自筆で作成する遺言書です。
費用をほとんどかけず、自分の意思でいつでも作成・変更できる点が大きなメリットです。一方で、民法に定められた方式を満たしていない場合には、遺言書が無効となるおそれがあります。
また、遺言者が亡くなった後、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用していない場合は、原則として家庭裁判所での検認手続が必要となります。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場で公証人が作成する遺言書です。
遺言者が内容を公証人へ伝え、公証人が法律に従って遺言書を作成します。
原本は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんのおそれが少なく、最も安全性が高い遺言方式といえます。
また、家庭裁判所での検認手続は不要ですので、相続開始後の手続も比較的スムーズに進めることができます。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言の内容を秘密にしたまま、公証人へ遺言書の存在を証明してもらう方式です。
遺言書の内容は本人以外に知られることはありませんが、公証人は内容を確認しないため、方式に不備があると遺言書が無効となる可能性があります。
また、相続開始後には家庭裁判所での検認手続が必要となります。
現在では利用件数が少なく、公正証書遺言や自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言が選ばれることが多くなっています。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
一般的によく利用される遺言書には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
| 項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作成方法 | ご本人が作成 | 公証人が作成 |
| 費用 | 比較的少ない | 公証人手数料が必要 |
| 紛失リスク | ある | 原則としてない |
| 家庭裁判所の検認 | 原則必要※ | 不要 |
※ 法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は検認不要です。
どの遺言書を選べばよいですか?
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、「どの方式が一番良い」というものではありません。
ご本人の財産の内容、ご家族の状況、費用、確実性などを総合的に考慮して選択することが大切です。
現在の実務では、公正証書遺言と、自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言が選ばれることが多く、秘密証書遺言は利用件数が少ない傾向があります。
費用を抑えて自分で作成したい方
ご自身で作成したい場合には、自筆証書遺言が適しています。
費用をほとんどかけずに作成でき、いつでも書き直すことができます。
一方で、法律で定められた方式を守らなければ無効となる可能性がありますので、内容や形式には十分注意が必要です。
確実性を重視したい方
もっともおすすめなのは、公正証書遺言です。
公証人が法律に基づいて作成するため、方式不備による無効となる可能性が低く、原本も公証役場で保管されます。
また、家庭裁判所での検認手続が不要であり、相続開始後の手続も円滑に進めることができます。
相続人が多い方・財産が多い方
不動産が複数ある場合や、相続人が多い場合、再婚家庭や事業承継を伴う場合などは、公正証書遺言をおすすめします。
内容を明確に残すことで、相続人同士の誤解や争いを防ぐ効果が期待できます。
遺言の内容を秘密にしたい方
遺言内容を生前に知られたくない場合には、秘密証書遺言という方法もあります。
ただし、利用件数は少なく、方式不備によるリスクや検認手続が必要となることから、実務では公正証書遺言や自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言が選ばれることが多くなっています。
🟦 行政書士がお手伝いできること
- 遺言書作成に関するご相談
- 遺言書の原案作成
- 戸籍・住民票・固定資産評価証明書など必要書類の収集支援
- 財産目録の作成支援
- 公証役場との連絡・日程調整
- 公正証書遺言作成時の準備支援
自筆証書遺言書保管制度
法務局では、自筆証書遺言を保管する制度が設けられています。この制度を利用すると、遺言書の紛失や改ざんのリスクを軽減できるほか、相続開始後の家庭裁判所での検認が不要になります。
遺言書をご自身で保管することに不安がある場合には、この制度の利用も有力な選択肢となります。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、遺言書の作成に関するご相談を受け、ご本人のご希望を整理したうえで、法令に沿った遺言書の原案作成をお手伝いすることができます。また、公正証書遺言を作成する場合には、公証人との打合せに必要な資料の整理や必要書類の収集についても支援いたします。
一方で、相続人間に紛争が生じている場合や、遺言の有効性を争う手続、家庭裁判所での訴訟・調停などは行政書士の業務範囲ではありません。当事務所では、必要に応じて弁護士など適切な専門家をご案内いたします。
🟦 このような場合はご相談ください
子ども同士で相続トラブルにならないよう準備しておきたい 自宅を配偶者へ確実に引き継ぎたい 子どもがいないため、配偶者へできるだけ多く財産を残したい 再婚しており、前婚の子どもにも配慮した遺言書を作成したい 公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらが自分に適しているか相談したい 法務局の自筆証書遺言書保管制度について詳しく知りたい
当事務所のサポート
遺言書は、ご自身の大切な意思をご家族へ伝えるための重要な書面です。当事務所では、お客様のご希望やご家族の状況を丁寧にお伺いし、将来の相続手続まで見据えた遺言書作成をサポートいたします。また、公正証書遺言を希望される場合には、公証人との手続が円滑に進むよう必要書類の整理や事前準備についてもお手伝いいたします。相続開始後のご家族が安心して手続を進められるよう、長期的な視点でサポートいたします。
法定相続情報一覧図とは
法定相続情報一覧図とは、法務局が交付する相続関係を一覧にまとめた公的な証明書です。被相続人の出生から死亡までの戸籍などを基に作成され、法務局で認証を受けることで、相続手続に必要となる戸籍一式の代わりとして利用できる場面があります。
従来は、不動産の相続登記や金融機関での預貯金払戻しなど、それぞれの窓口へ戸籍一式を提出する必要がありました。しかし、この制度を利用すると、法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合があり、相続手続の負担軽減につながります。制度の概要や利用方法は法務局が案内しています。
🟦 まずは法定相続情報一覧図をご覧ください
法定相続情報一覧図制度を利用すると、法務局が認証した一覧図の写しを各種相続手続に利用できます。
まずは制度の流れをご確認ください。

※法定相続情報一覧図制度の一般的な流れを示したものです。
※申出方法や必要書類は、法務局の取扱いに従ってください。
この制度は法務局が相続人の権利関係を判断する制度ではなく、提出された戸籍等に基づいて一覧図を認証する制度です。
法定相続情報一覧図を利用するメリット
法定相続情報一覧図を取得すると、複数の金融機関や官公署で相続手続を行う際に、毎回大量の戸籍謄本等を提出する負担を軽減できる場合があります。また、一覧図には相続関係が分かりやすく整理されているため、相続人全員が相続関係を確認しやすくなるという利点もあります。
【図⑤ 法定相続情報一覧図の利用イメージ】
(戸籍一式 → 法務局 → 法定相続情報一覧図 → 銀行・法務局・証券会社など)
取得するために必要な主な書類
法定相続情報一覧図の交付を受けるためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍や除籍、改製原戸籍、相続人の現在戸籍など、相続関係を確認するための書類が必要になります。また、被相続人の住民票の除票や相続人の住民票が必要となる場合もあります。
必要書類は相続関係によって異なるため、事前に漏れがないか確認することが重要です。
📋 主な必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の現在戸籍
- 申出書
- 法定相続情報一覧図
※ 相続関係によって追加書類が必要となる場合があります。
どのような場合に利用すると便利か
相続人が複数いる場合や、不動産の相続登記だけでなく、複数の金融機関や証券会社などで同時に相続手続を行う場合には、法定相続情報一覧図を取得しておくことで、戸籍一式を何度も提出する手間を軽減できることがあります。
また、相続手続が長期間にわたる場合にも、相続関係を一覧で確認できる資料として役立ちます。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、法定相続情報一覧図の作成に必要となる戸籍収集や相続人調査、相続関係説明図の作成など、申出に必要な書類の準備をサポートすることができます。
一方、法定相続情報一覧図の交付は法務局が行う制度であり、制度に基づく審査・交付は法務局が行います。当事務所では、制度を利用するための準備を丁寧にお手伝いし、円滑な相続手続につながるようサポートいたします。
🟦 このような場合はご相談ください
- 相続手続を行う金融機関が複数ある
- 戸籍を何度も提出する負担を減らしたい
- 相続関係を分かりやすく整理したい
- 法定相続情報一覧図を取得した方がよいか相談したい
- 戸籍収集からまとめて依頼したい
当事務所のサポート
当事務所では、戸籍収集から相続人調査、法定相続情報一覧図の作成に必要な書類の準備まで、一連の手続を丁寧にサポートしております。相続手続は一つの書類だけで完結するものではなく、戸籍収集や遺産分割協議書の作成など、複数の手続が密接に関係しています。
当事務所では、お客様の状況をお伺いしたうえで、相続手続全体を見据えたご提案を行い、必要に応じて司法書士や税理士など他士業とも連携しながら、できる限りご負担を軽減できるよう努めております。
相続登記とは
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなられた場合に、その不動産の名義を相続人へ変更する登記手続です。相続によって不動産を取得しても、法務局で相続登記を行わなければ登記簿上の所有者は亡くなられた方のままとなり、不動産の売却や担保設定などに支障が生じることがあります。
令和6年(2024年)4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続した方は、一定の場合に相続による取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなりました。正当な理由がないまま義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
🟦 まずは相続登記の流れをご覧ください
相続登記は、戸籍収集や遺産分割協議などを経て法務局へ申請する手続です。
まずは全体の流れをご確認ください。

※一般的な相続登記の流れを示したものです。
※登記申請は本人が行うこともできますが、代理人として申請を行うことができるのは司法書士など法律で認められた者です。
相続登記が必要となるケース
被相続人名義の土地や建物を相続した場合は、相続登記を行うことになります。相続人が一人であっても、遺言によって不動産を取得する場合であっても、原則として名義変更が必要です。
また、将来売却する予定がなくても、相続登記を済ませておくことで、次の相続が発生した際の手続が複雑になることを防ぐことができます。
【図⑥ 相続登記の流れ】
被相続人死亡
↓
相続人の確定
↓
戸籍収集・必要書類の準備
↓
遺産分割協議(必要な場合)
↓
司法書士による登記申請
↓
登記完了
相続登記に必要となる主な書類
相続登記では、被相続人や相続人の戸籍のほか、不動産に関する書類などを提出します。必要書類は相続の方法や不動産の内容によって異なりますが、一般的には次のような書類が必要になります。
📋 主な必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の現在戸籍
- 相続人の住民票
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(必要な場合)
- 相続人全員の印鑑証明書(必要な場合)
- 登記申請書
※ 相続の状況により追加書類が必要となることがあります。
相続登記義務化で注意したいこと
相続登記の義務化により、「今すぐ売却しないから登記は後でよい」という考え方は見直す必要があります。相続人が複数いるまま長期間放置すると、次の相続が発生して相続人が増え、手続が大幅に複雑になることも少なくありません。
早い段階で相続人を確定し、必要書類を整えておくことで、相続登記を円滑に進めることができます。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、相続登記の申請代理を行うことはできません。相続登記の申請代理は司法書士の業務です。
一方で、相続登記を行うためには、相続人の確定、戸籍収集、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成など、多くの準備が必要になります。当事務所では、これら行政書士が対応できる業務を丁寧に行い、司法書士へ円滑に引き継げるようサポートいたします。
🟦 このような場合はご相談ください
- 相続登記が義務化されたと聞いたが、何をすればよいか分からない
- 被相続人名義の土地や建物がそのままになっている
- 相続人が多く、戸籍収集から手伝ってほしい
- 遺産分割協議書を作成してから相続登記を進めたい
- 信頼できる司法書士を紹介してほしい
- 相続手続全体を一括して相談したい
当事務所のサポート
当事務所では、相続登記そのものの申請代理は行っておりませんが、登記に必要となる戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成など、登記前の準備を丁寧にサポートしております。
相続登記は、正確な事前準備が重要です。当事務所では、お客様のご事情を丁寧にお伺いし、必要な書類を整理したうえで、連携する司法書士へ円滑に引き継げる体制を整えています。「どこへ相談すればよいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
相続税とは
相続税とは、亡くなられた方(被相続人)から財産を相続または遺贈により取得した場合に、一定額を超える財産について課税される税金です。しかし、相続税はすべての相続で課税されるわけではありません。相続財産が基礎控除額以下であれば、原則として相続税の申告や納税は不要です。
相続税の有無を判断するためには、相続財産の内容や評価額を把握し、基礎控除額を超えるかどうかを確認することが重要です。相続税の制度や申告期限は国税庁が案内しています。
🟦 まずは相続税の基礎控除をご覧ください
相続税がかかるかどうかを判断する第一歩は、「基礎控除額」を理解することです。
まずは下の図で全体の流れをご確認ください。

※制度概要を分かりやすく示した図です。
※実際の課税関係や申告の要否は、財産の内容や各種特例の適用などによって異なる場合があります。
相続税がかかるのはどのような場合ですか
相続税は、相続財産の総額から債務や葬式費用などを差し引き、さらに基礎控除額を超える場合に課税対象となります。相続財産には、不動産、預貯金、株式、有価証券、生命保険金(一定の非課税枠を超える部分)、現金などが含まれます。
一方で、基礎控除額以下であれば、原則として相続税は課税されません。
基礎控除額とは
相続税には基礎控除が設けられており、次の計算式で求められます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
となり、相続財産の課税価格が4,800万円以下であれば、原則として相続税は課税されません。
【図⑦ 基礎控除額の計算例】
法定相続人1人 → 3,600万円
法定相続人2人 → 4,200万円
法定相続人3人 → 4,800万円
法定相続人4人 → 5,400万円
相続税の申告期限
相続税の申告と納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
申告期限までに遺産分割がまとまらない場合でも、いったん法定相続分に基づいて申告が必要となる場合があります。そのため、相続税がかかる可能性がある場合には、早めに税理士へ相談することをお勧めします。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、相続税の申告や税務相談を行うことはできません。これらは税理士の業務です。
一方で、相続税の申告を行う前提として必要となる戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成などについては、行政書士がお手伝いすることができます。これらの書類を適切に整えることは、税理士による申告を円滑に進めるためにも重要です。
🟦 このような場合はご相談ください
- 相続税がかかるかどうか分からない
- 相続財産を整理したい
- 不動産が多く、評価額が気になる
- 相続税申告が必要と言われたが、何から始めればよいか分からない
- 戸籍収集や遺産分割協議書の作成を依頼したい
- 税理士と連携しながら相続手続を進めたい
当事務所のサポート
当事務所では、相続税の申告そのものは行っておりませんが、税理士による申告が円滑に進むよう、戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成など、相続税申告の前提となる書類作成を丁寧にお手伝いいたします。
また、お客様の状況に応じて信頼できる税理士と連携し、相続手続全体がスムーズに進むようサポートいたします。「相続税がかかるか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
相続土地国庫帰属制度とは
相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たす場合に、その土地を国へ引き渡すことができる制度です。令和5年(2023年)4月27日に開始された制度で、所有者不明土地の発生を予防することを目的としています。
相続した土地であっても、すべてが国に引き取られるわけではありません。法務大臣(法務局)の承認を受けること、一定の負担金を納付することなどの条件があり、制度を利用できる土地にも制限があります。制度の詳細は法務省・法務局が公表しています。
相続土地国庫帰属制度が創設された背景
近年、相続した土地を利用する予定がなく、管理だけを続けなければならないケースが全国で増えています。特に遠方の土地や山林、農地などは管理が難しく、相続登記が行われないまま放置されることも少なくありません。
このような状況を改善し、所有者不明土地の増加を防ぐために創設されたのが相続土地国庫帰属制度です。
【図⑧ 制度の概要】
相続・遺贈で土地取得
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法務局へ承認申請
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審査
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承認
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負担金納付
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土地が国へ帰属
利用できない主な土地
制度には承認要件が定められており、次のような土地は対象外となることがあります。
📋 対象外となる主な例
- 建物が存在する土地
- 担保権などの権利が設定されている土地
- 他人が使用している土地
- 土壌汚染がある土地
- 境界が明らかでない土地
- 崖地など管理に多額の費用が必要な土地
※ 詳細は法令や法務局の運用により判断されます。
負担金について
制度を利用する場合には、承認後に負担金を納付する必要があります。この負担金は、国が一定期間土地を管理するための費用として位置付けられています。
負担金の額は土地の種類や状況によって異なり、個別に算定されます。そのため、「無料で国へ引き渡せる制度」ではないことを理解しておくことが大切です。
行政書士がお手伝いできること
相続土地国庫帰属制度の承認申請先は法務局です。当事務所では、制度の概要についてご説明するとともに、相続人調査や戸籍収集、相続関係説明図の作成など、制度利用の前提となる相続関係書類の準備をサポートいたします。
制度の利用に当たっては、土地の状況や必要書類の確認が重要となりますので、お客様の状況をお伺いしながら、適切な進め方をご案内いたします。
🟦 このような場合はご相談ください
- 相続した土地を利用する予定がない
- 遠方にある土地の管理が難しい
- 相続した山林や原野を手放したい
- 相続土地国庫帰属制度を利用できるか知りたい
- 相続登記をした後の土地の扱いについて相談したい
- 相続全体を見据えたアドバイスを受けたい
当事務所のサポート
当事務所では、相続土地国庫帰属制度をご検討されるお客様に対し、制度の概要や利用条件をご説明するとともに、戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成など、制度利用の前提となる相続手続をサポートしております。
また、土地の状況やご家族のご希望を丁寧にお伺いし、「売却」「保有」「相続土地国庫帰属制度の利用」といった選択肢を整理したうえで、必要に応じて司法書士や土地家屋調査士など他士業とも連携し、お客様にとって適切な手続をご案内いたします。
ご相談から手続完了までの流れ
相続手続は、ご家庭の状況や相続財産の内容によって必要となる手続が異なります。当事務所では、まずお客様のお話を丁寧にお伺いし、現在の状況を整理したうえで、必要な手続をご案内いたします。
「何から始めればよいか分からない」という段階からでもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
【図S-010 ご相談から手続完了までの流れ】
(後日オリジナル図を挿入)
STEP1 お問い合わせ・ご相談予約
まずは、お電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。ご相談内容を簡単にお伺いし、ご相談日時を調整いたします。
初回のご相談では、現在のお困りごとやご希望をお聞きし、手続の全体像をご説明いたします。
STEP2 現状確認と手続のご説明
ご相談内容を基に、相続人の状況や相続財産の概要を確認し、必要となる手続をご説明いたします。
相続手続には、戸籍収集、相続人調査、遺産分割協議書の作成、相続登記、相続税申告などが関係する場合があります。当事務所では、行政書士が対応できる業務と、司法書士・税理士・弁護士など他士業が担当する業務を分かりやすくご説明いたします。
STEP3 お見積り・ご依頼
ご依頼内容が決まりましたら、お見積りをご提示いたします。業務内容や報酬額について十分にご説明し、ご納得いただいたうえで正式にご依頼いただきます。
ご依頼後に追加の業務が必要となる場合には、事前にご説明し、ご了解をいただいてから進めます。
STEP4 必要書類の収集・作成
ご依頼後は、戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成など、ご依頼いただいた業務を進めます。
必要に応じて、お客様へ追加資料のご提出をお願いすることがありますが、その都度分かりやすくご案内いたします。
STEP5 他士業との連携(必要な場合)
相続登記が必要な場合は司法書士、相続税申告が必要な場合は税理士、相続人間に争いがある場合は弁護士など、必要に応じて連携する専門家をご紹介し、手続が円滑に進むようサポートいたします。
当事務所が窓口となって手続全体を整理いたしますので、お客様ご自身で複数の専門家を探すご負担を軽減できます。
STEP6 手続完了・書類のお渡し
業務が完了しましたら、作成した書類をご確認いただき、ご説明のうえお渡しいたします。また、今後必要となる手続や注意点についてもご案内いたします。
相続手続は一度完了しても、将来的に不動産の売却や新たな財産の発見などにより追加の手続が必要となる場合があります。そのような場合も、お気軽にご相談ください。
🟦 このような場合はご相談ください
- 相続が発生したが、何から始めればよいか分からない
- 相続人や相続財産を整理したい
- 戸籍収集を依頼したい
- 遺産分割協議書を作成してほしい
- 相続登記や相続税について相談できる専門家も紹介してほしい
- 相続手続全体を安心して任せられる事務所を探している
当事務所のサポート
当事務所では、相続手続を単なる書類作成業務としてではなく、お客様の大切な財産とご家族への想いを形にするための手続と考えています。
ご相談の際には、専門用語をできるだけ分かりやすい言葉でご説明し、ご不安や疑問を一つひとつ解消しながら手続を進めてまいります。また、戸籍収集や遺産分割協議書の作成など行政書士が対応できる業務を丁寧に行うとともに、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士など信頼できる専門家と連携し、お客様にとって最適な解決方法をご提案いたします。
よくあるご質問(FAQ)
相続手続について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
Q1 相続手続は何から始めればよいですか。
まずは、相続人が誰になるのかを確認し、相続財産の概要を把握することが重要です。そのためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、預貯金や不動産などの財産を整理することから始めます。全体の流れが分からない場合は、早い段階で専門家へ相談することをお勧めします。
Q2 相続手続はいつまでに行わなければなりませんか。
手続によって期限が異なります。
- 相続放棄:原則として相続開始を知った日から3か月以内
- 相続税の申告・納付:原則として10か月以内
- 相続登記:一定の場合に取得を知った日から3年以内
期限を過ぎると不利益が生じる場合がありますので、できるだけ早めに準備を進めることが大切です。
Q3 戸籍は自分でも取得できますか。
はい、取得できます。ただし、出生から死亡までの戸籍を漏れなく収集する必要があり、本籍地が複数ある場合や改製原戸籍がある場合には、収集に時間がかかることがあります。
当事務所では、戸籍収集や相続人調査についてもサポートしております。
Q4 遺産分割協議書は必ず作成しなければなりませんか。
相続人が複数いる場合には、不動産の相続登記や金融機関での手続などで遺産分割協議書が必要になることが多くあります。
一方、有効な遺言書があり、その内容どおりに相続手続を行う場合など、遺産分割協議書が不要となるケースもあります。
Q5 相続登記は行政書士へ依頼できますか。
相続登記の申請代理は司法書士の業務です。
当事務所では、相続登記に必要な戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、法定相続情報一覧図作成のサポート、遺産分割協議書の作成などを行い、司法書士へ円滑に引き継げるようサポートいたします。
Q6 相続税がかかるかどうか分かりません。
相続税は、相続財産の総額や法定相続人の数などによって異なります。
当事務所では、相続財産の概要を整理し、相続税申告が必要となる可能性がある場合には、連携する税理士をご紹介いたします。
Q7 相続人同士で意見が対立しています。相談できますか。
相続人間で争いがある場合には、行政書士が代理人として交渉を行うことはできません。
そのような場合には、弁護士による対応が必要となります。当事務所では、状況をお伺いしたうえで、必要に応じて信頼できる弁護士をご紹介いたします。
Q8 相談したら必ず依頼しなければなりませんか。
いいえ、そのようなことはありません。
ご相談いただいた内容を基に、必要な手続や報酬をご説明し、ご納得いただいたうえで正式にご依頼いただきます。ご相談のみで終了される方もいらっしゃいますので、お気軽にお問い合わせください。
Q9 遠方に住んでいますが、依頼できますか。
はい、可能です。
戸籍収集や書類作成は郵送やオンラインを活用して進められる場合があります。面談が必要な場合も、お客様のご事情に応じて柔軟に対応いたします。
Q10 相談するときは何を持参すればよいですか。
分かる範囲で構いませんので、次のような資料をご用意いただくとご相談がスムーズです。
📋 ご持参いただくと参考になる資料
- 被相続人の氏名・生年月日が分かる資料
- 戸籍謄本(お持ちの場合)
- 固定資産税納税通知書
- 預貯金通帳
- 遺言書(ある場合)
- 相続関係が分かるメモ
すべて揃っていなくてもご相談いただけます。
Q11 相続人が海外に住んでいます。相続手続はできますか。
はい、相続人が海外にお住まいでも相続手続を進めることは可能です。
ただし、日本国内に住所がある場合とは必要書類が異なることがあります。例えば、印鑑証明書に代わり、居住国で作成した署名証明書や在留証明書などが必要となる場合があります。また、書類が外国語で作成されている場合には、日本語訳の添付を求められることもあります。
相続人が海外に居住している場合は、書類の取得や郵送に時間を要することがありますので、余裕をもって準備を進めることが大切です。
Q12 相続人の一人と連絡が取れません。相続手続はできますか。
相続人全員による遺産分割協議が必要な場合には、原則として相続人全員の参加が必要です。
相続人の所在が分からない場合や長期間連絡が取れない場合には、そのままでは遺産分割協議を進めることができません。状況によっては、家庭裁判所で不在者財産管理人の選任などの手続が必要になることがあります。
Q13 認知症の相続人がいる場合はどうなりますか。
相続人の一人が認知症などにより判断能力を欠いている場合には、その方が単独で有効な遺産分割協議を行うことはできません。
状況によっては、家庭裁判所で成年後見人等の選任が必要となる場合があります。
当事務所では、相続手続全体を整理したうえで、必要に応じて弁護士や司法書士など適切な専門家と連携しながら手続を進められるようサポートいたします。
Q14 暗号資産(仮想通貨)も相続の対象になりますか。
はい、暗号資産(仮想通貨)も相続財産となる場合があります。
暗号資産は、預貯金のように金融機関が管理しているものとは異なり、取引所の口座やウォレットで管理されていることがあります。そのため、ご家族が存在を知らなければ、相続財産として把握できないこともあります。
生前から利用している取引所や資産の管理方法を整理しておくことは、ご家族の負担軽減にもつながります。
Q15 ネット銀行やSNSなどのデジタル遺産はどうなりますか。
近年では、ネット銀行、ネット証券、電子マネー、クラウドストレージ、SNS、サブスクリプションサービスなども相続手続の対象となることがあります。
サービスによって取扱いが異なるため、利用しているサービスを把握し、必要に応じて解約や名義変更などの手続を行うことになります。
Q16 相続手続はどのくらいの期間がかかりますか。
相続手続に要する期間は、相続人の人数や財産の内容によって異なります。
一般的には、戸籍収集や財産調査だけでも数週間から1か月程度かかることがあります。相続人が多い場合や、不動産が複数ある場合、相続人が海外に住んでいる場合などは、さらに時間を要することがあります。
また、相続税の申告が必要な場合には、申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)を見据えて計画的に進めることが大切です。
Q17 相続手続の途中で新しい財産が見つかった場合はどうなりますか。
相続手続が終わった後や、遺産分割協議が成立した後に新たな財産が見つかることがあります。
その場合には、新たに見つかった財産について相続人全員で協議を行うことが必要となる場合があります。
そのため、遺産分割協議書には、「後日判明した財産の取扱い」に関する条項を設けることも少なくありません。
Q18 外国籍の家族でも日本で相続できますか。
はい、外国籍の方であっても、日本の法律や国際私法のルールに基づき相続人となる場合があります。
例えば、日本に不動産や預貯金などの財産がある場合や、被相続人や相続人が海外に居住している場合には、日本法だけでなく外国法が関係することもあります。そのため、案件によって必要な手続や必要書類が異なる場合があります。
また、外国籍の相続人が日本国内に住所を有していない場合には、印鑑証明書の代わりに署名証明書などを提出することがあります。
Q19 海外へ送る委任状はどのように作成すればよいですか。
相続手続では、海外にお住まいの相続人へ委任状や遺産分割協議書を送付することがあります。
委任状の形式は、提出先の金融機関や法務局などによって異なる場合があります。また、署名証明書や在留証明書などの添付を求められることもあります。
当事務所では、提出先に応じた委任状の作成や必要書類についてご案内し、海外とのやり取りが円滑に進むようサポートいたします。
Q20 外国で作成した証明書は日本の相続手続で使用できますか。
はい、使用できる場合があります。
例えば、海外に居住する相続人については、居住国で発行された署名証明書や在留証明書などが必要となることがあります。
ただし、提出先によっては日本語訳の添付を求められる場合や、証明書の有効期間が定められている場合があります。また、証明書の種類や認証方法について確認が必要となることもあります。
Q21 海外に住んでいても遺産分割協議書へ署名できますか。
はい、海外にお住まいでも遺産分割協議書へ署名していただくことは可能です。
ただし、日本国内に住民登録がない場合には、通常の印鑑証明書を取得できません。そのため、居住国で発行される署名証明書などを利用することがあります。
また、遺産分割協議書を海外へ送付する場合には、郵送期間や署名後の返送期間も考慮して手続を進める必要があります。
相続手続で必要となる主な書類一覧



