経営・管理ビザ申請で審査官が重視するポイント ~事業計画書と事業実態の説明が重要~

更新日:2026年6月16日


外国人が日本で会社を設立し、「経営・管理」の在留資格を取得するケースは年々増加しています。一方で、会社を設立しただけでは許可されず、事業の実体や継続性を客観的な資料で立証することが重要です。

本記事では、出入国在留管理庁が公表している審査基準や申請資料を踏まえ、行政書士の実務から見た「近年特に重視されるポイント」を解説します。

会社設立だけでは許可されない

会社の登記が完了していても、それだけで「経営・管理」の在留資格が認められるわけではありません。

審査では、

  • 実際に事業を開始しているか
  • 事業を継続できる見込みがあるか
  • 経営者本人が経営に従事する予定か

などが総合的に判断されます。

事業計画書の完成度

数字に根拠があるか

事業計画書には、

  • 売上予測
  • 経費
  • 利益計画

などを記載します。しかし、「初年度売上5,000万円」と書くだけでは十分ではありません。
例えば、

  • 取引予定先
  • 契約見込み
  • 市場調査
  • 同業他社との比較

など、数字の根拠を説明できる資料があると説得力が増します。

実際に経営する内容が明確か

事業内容は具体的に説明する必要があります。例えば、「貿易業」だけでは抽象的です。

  • どの国と取引するのか
  • 何を輸出・輸入するのか
  • 主な販売先はどこか
  • 収益はどのように得るのか

まで説明すると、審査官にも事業の実態が伝わりやすくなります。

事務所の実体

審査では、

実際に事業を行う事務所が確保されているかも重要です。

提出資料として、

  • 賃貸借契約書
  • 事務所内部の写真
  • 外観写真
  • 机・パソコン・通信設備

などが事業実態を示す資料になります。

資本金だけでは判断されない

「資本金○○万円だから許可される」という考え方は正確ではありません。

審査では、

  • 資本金
  • 事業内容
  • 売上見込み
  • 経営経験
  • 資金調達の経緯

などを総合的に判断します。そのため、資本金だけでなく、事業全体の計画性が重要になります。

更新申請で確認される事項

更新申請では、会社設立時よりも、実際に事業が行われているかが重視されます。

例えば、

  • 売上実績
  • 決算書
  • 納税状況
  • 従業員の雇用状況
  • 事業継続性

などが確認されます。

行政書士の実務ポイント

私が実務で重視しているのは、「審査官が初めて会社を見る」という視点です。

審査官は会社のことを何も知りません。

そのため、

  • なぜこの事業を始めるのか
  • なぜ日本なのか
  • なぜ申請人が経営するのか
  • 将来どのように利益を上げるのか

を、申請書類だけで理解できるように説明することが重要です。

提出資料が多いことよりも、一貫性のある説明が許可への近道になると考えています。

まとめ

経営・管理ビザでは、「会社を作ったこと」よりも、「実際に事業を継続できること」が重要な審査ポイントになります。

ポイント

  • 事業計画書には根拠のある数字を記載する
  • 事業内容を具体的に説明する
  • 事務所の実体を示す資料を準備する
  • 資本金だけではなく事業全体を説明する
  • 更新時には実績や納税状況も重要になる

事前に十分な資料を準備し、事業内容を分かりやすく説明することが、円滑な審査につながります。